パンダ去りしのち…愛と余韻に浸る上野の街 “先輩タウン”和歌山では4年ぶりの赤ちゃん動物がスターに
和歌山では…
上野動物園より一足先、2025年6月にパンダがいなくなった動物園がある。和歌山県白浜町にある「アドベンチャーワールド」だ。ここは生まれたパンダに「浜(ひん)」のつく命名をすることでも知られている。
最初の来日は1994年だが、2000年に来た梅梅(めいめい)は子沢山のママパンダで、6頭の子どもを産んだ。その娘の良浜(らうひん)は、10頭もの子どもを産み、2000年から2020年の間に総数16頭のパンダが生まれている。アドベンチャーワールドは、パンダの出産・子育てのエキスパートとなった。
生まれたパンダは数年で中国に返還される。2025年6月に良浜と娘3頭が中国に帰り、30年間パンダと共にあったアドベンチャーワールドからパンダがいなくなってしまった。パンダに会えないのも寂しいが、たくさんのパンダの出産をサポートし、育ててきた経験をいかせなくなったのも残念だ。
“スター不在”とも言える現在のアドベンチャーワールド。パンダに代わりそうな動物はいるのだろうか。担当の新東さんは以下のように語ってくれた。
「当パークでは、パンダがいた時から、すべてのいのちを等しく大切にしてきました。パンダは多くの方に愛される存在で、自然と注目が集まることもありましたが、帰国後にパークとしての考え方が変わったわけではありません。現在は、ペンギンやトラをはじめ、さまざまないのちに改めて目を向けていただく機会が増えていると感じる場面があります」
ニューアイドルも
そうした中で来園者の関心を集めているのが、昨年9月30日に4年ぶりに誕生したエンペラーペンギンの赤ちゃんだ。よちよちと歩く姿が来園者の心を和ませている。
「SNSで成長の様子をお届けしているのですが、“赤ちゃんペンギンに会いたくて来ました”という声も聞かれるようになりました。関連グッズの売れ行きも好調です」(新東さん)
2月23日までの土日には『ナイトペンギンツアー』を実施しており、各日30名の定員はすでに満席となっている。
「昨年の夏には、アムールトラの赤ちゃんも3頭誕生しました。年末から親子での展示を始め、こちらも多くの方にご覧いただいています」
動物たちの夜の姿を観察できる『ナイトサファリー』は、2月22日と23日に開催される。
アドベンチャーワールドからパンダがいなくなっても、記念イベントはひき続き開催される。
1月25日には、16頭の父として多くのいのちを育ててきたジャイアントパンダ・永明(えいめい)の一周忌が営まれた。
「当パークでは『PANDA LOVE CLUB』という企画があり、当日は260名もの方が集まりました。永明との思い出やエピソードを語り合いながら、その存在が多くの方の心に残っていることを改めて感じました」
いわずもがな、パンダは希少な動物。世界中のパンダ飼育者や研究者が協力して守りたいと新東さんは言う。
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