「ヤクザ捜査でもオートロックを勝手に突破してはダメ!」 大阪府警敗訴の報は「6代目山口組・司忍組長」に

国内 社会

  • ブックマーク

警察官が無断で

 1月22日、中日新聞が《マンションオートロックすり抜け「捜査として違法」地裁判決》と題する記事をネットで報じた。大阪府警の警察官が協力を拒む参考人(=原告)の居住するオートロックマンションのセキュリティを突破してマンション内に侵入したことなどが違法であるという国賠訴訟で、府に賠償金の支払いを命じる判決が名古屋地裁で下ったのだ。この判決を喜んだのは原告のみならず4代目弘道会の面々だったという。どういう背景があるのだろうか。

 まずは国賠請求の内容をざっと見ておこう。

 名古屋市内に住む30代の原告女性(以下、A子さん)は元夫が関与したとされる建造物損壊事件に関連して府警の警察官から捜査協力を依頼された。2023年3月のことだ。当初A子さんは事情聴取に応じたが詳細を知らないことなどを告げ、それ以上の協力を拒否。するとその後、警察官はA子さんが住む名古屋市内のマンションに出向き、オートロックを他の住民の出入りに乗じてすり抜ける、いわゆる「共連れ」の形で通過してマンション内に入り、A子さんの部屋のインターホンを何度も押し、部屋のある階に数時間とどまるなどした。

大阪府警は何を捜査していたのか

 判決ではこの立入りなどについて「国家賠償法上違法であると認められ、これにより原告の私生活の平穏が害され、原告は精神的苦痛を被ったものと認められる」とし、府に5万5000円の支払いを命じた。

 大阪府警は何を捜査していたのか。

「元夫が関与したとされる建造物損壊事件」とは、2022年5月当時、神戸山口組の副組長で2代目宅見組の入江禎組長の自宅(大阪府豊中市)に車で突っ込む「車両特攻」が行われた事件を指す。実行役の組員に犯行を指示したとして暴力行為等処罰法違反などの罪で起訴されたのがA子さんの「元夫」で、6代目山口組・4代目弘道会・10代目稲葉地一家・8代目伊藤忠の吉川直幸若頭だった。6代目山口組の分裂抗争の中で発生した事件であり、2024年3月、吉川若頭に懲役2年・執行猶予4年の判決が言い渡された。

態度を硬化

 府警の捜査に話を戻そう。2023年3月に犯行を指示したとして吉川若頭が逮捕された。実行犯は6代目山口組と神戸山口組との抗争であることを否認し、吉川若頭も黙秘を続けていたことなどから府警は情報提供を元妻であるA子さんに依頼。その際にA子さんは吉川若頭との間に子供がいることからやり取りはあるが、子供のこと以外で2人きりで会うことはほぼないこと、車両特攻事件前後で吉川若頭の様子がおかしかったことはなかったことなどを述べ、供述調書の作成を拒み、それ以上の捜査への協力も断った。

 府警は、吉川若頭が以前に名古屋市内で発生した傷害事件の被疑者とされており、その際に運転していた車の登録上の使用者がA子さんの同棲相手(以下、B氏)だったことを把握し、B氏に電話して吉川若頭との関係をただした。A子さんがB氏の車を日常的に使用する中でたまたま吉川若頭がこれを使った際に事件が発生したのかもしれないが、この電話がA子の神経を逆なでしたのは想像に難くない。A子さんは態度を硬化させて、「Bを巻き込まないでほしい」と府警に抗議し、警察官からの電話にも出なくなった。

次ページ:子供にも声掛け

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。