「立憲・公明」が本気で倒したいのは「自民党」ではなく「高市総理」 内閣を退陣に追い込んで目論む「政権交代」の意外すぎる構図とは

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公明幹部から支援の意向

 もう片方の当事者である立憲民主はどうか。新党に不参加とする反発の動きが一部議員にあるものの、おおむね円滑に手続きは進んだ。

 当初、連立を離れた公明に対し、選挙協力への秋波を熱心に送ったのは立憲であった。しかし、最後は、公明の気迫が新党を結実させた形となったようだ。仮に、中道改革連合が大躍進、もしくは政権交代が実現すれば、立憲にとっては「棚ぼた」とさえ言うべき想定以上の僥倖となろう。

 一方で議員の中道改革連合への移籍は、党名だけでなく、政策の変更を伴う。「急に新党に移籍するというのは理解できないという苦言を支持者から受けている」(新党関係筋)など、相応の風当たりは免れない。

 ある立憲現職は、既に地元の公明幹部から支援の意向が伝えられたと明かす。その上で「いきなり多くの票を投じてくれるほど甘くはないのは分かっている」と語る。

予定調和とは無縁のドラマ

 これに対し、与党は、高い内閣支持率のメリットを踏まえ、若者層や女性に照準を合わせるなど着々と布石を打ってきた。

 高市首相は、年明けに来日した韓国の李明在大統領とお揃いの青いスウェットでドラムを叩くパフォーマンスを披露。続いて訪日したイタリアのメローニ首相とは、片山さつき財務相、小野田紀美経済安全保障担当相との計4人で「女子会」を彷彿とさせる会談を開いた。

 また「立憲民主は中道ではなく、左だったのではないか」(自民筋)という指摘は多く出ている。

 高い内閣支持率を背景とした与党による若年・無党派層を含む支持拡大の力と、中道改革連合結成による旧立憲候補への公明票の上乗せ効果の、どちらが凌駕するかが勝負を決める――。固まりつつある衆院選の帰趨を占うポイントを端的に言うと、このようになろうか。

 昨年は戦後80年、自民党結党70年の節目であり、日本政治は頸木から解き放たれたかのように多党、流動化が進行。年明けの政局は、奇襲と評される衆院解散で始まることになった。選挙結果もその後の権力構造も、予定調和とは無縁のドラマとなりそうだ。

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 関連記事「『高市電撃解散』に麻生副総裁が激怒! 高額献金疑惑から目をそらせるか」では、高市首相“奇襲”解散の内幕と、麻生副総裁の本音について詳報している。

市ノ瀬雅人(いちのせ・まさと)
大手報道機関にて20年近く国政、外交・国際関係などの取材、執筆、編集を務めた。首相官邸、自民党、旧民主党、国会のほか外務省などの官庁を担当した。

デイリー新潮編集部

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