「立憲・公明」が本気で倒したいのは「自民党」ではなく「高市総理」 内閣を退陣に追い込んで目論む「政権交代」の意外すぎる構図とは
キーワードは右傾化
公明は昨年10月の高市氏の総裁就任に伴い、四半世紀にわたる自民との連立政権に終止符を打ち、野党に転じた。連立解消は驚きを持って受け止められた。理由は、自民による政治資金問題への対応の不満などであった。
高市氏は、社会における多様性への考え方や対中政策などで保守色を持つ。これに対し、公明は文字通り中道を標榜し、相対的にリベラル色を帯びる。両者に距離があったのは広く自明であった。
自民党内では以前から、保守系を中心に、こうした政策面の乖離による公明との連立解消論が根強くあった。公明としても、下駄の雪などと呼ばれてまで連立に残留することは、沽券にかかわることだ。
公明にとっては、こうしたすれ違いが、自民との長年の選挙協力をご破算にし、政権に対峙する新党戦略を推進した背景の一つとなった。キーワードは右傾化である。
自民党に「心理戦」を仕掛ける
野田、斉藤両氏が新党結成で合意した1月15日の立公党首会談の後、野田氏は記者会見で「高市政権ができて、どちらかというと右に傾いていく路線が多く、勇ましい言葉の下でいろんな動きがあり、公明党が連立を解消した」と言及。斉藤氏は「日本政治の右傾化がみられる中で、中道の勢力を結集することが重要である」と言明した。
新党構想はこのように、当初から「右傾化に対抗する中道」という構図が鮮明であった。これは、互いに袂を分かった、高市政権と公明との関係性そのままと言える。複数の関係者によれば、比例代表での統一名簿を飛び越した新党の立ち上げは、公明側の強い熱意があったという。
半面、斉藤氏は自民党自体を正面から非難するトーンは控えている。「自民党と全面対決する政党をつくるつもりはない。自民党の中にも中道改革に賛同してくださる方がたくさんいる。そういう方々と新しい日本の政治をつくる」「30年前に二大政党制を目指し、自民党に対抗するもう一つの政党であった新進党を目指すものではない」「中道改革連合はある意味で(引退表明した)菅義偉元首相の思いもつなぐ政党であるという思いを持って衆院選を戦う」
これらは新党方針の表明以降の記者会見における斉藤氏の発言だ。決戦を目前にして、野党第一党が対峙すべき政権党との連携に含みを持たせるのは異例である。
一連のことから察することができるのは、中道改革連合の対決相手は、自民党そのものではなく、高市政権であるということだ。見方を変えると、自民党内に敵と味方を設定し、亀裂を生じさせる「心理戦」を仕掛けているとも受け取れる。
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