妻に訪れた“試練”に50歳夫は取り乱し…行きずりの女性となぜかホテルへ 「混乱していた」ではすまない繰り返された過ち

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だが“無傷”ではすまず…

 そのころ、真理さんからよく連絡があったのだが、彼は返事をしなかった。真理さんにまで気が回らなかったのが本音だという。美枝子さんが元気になったから真理さんには用がなくなったということなのだろうか。

「そんなつもりはなかった……。でもそう思われてもしかたがないですよね。結局、真理とは4、5回会った。でもそれきり。ひどいことをしたと思っているけど、どうしても連絡をする気にはなれなかった。継続するつもりがなかったから。大人同士だし、僕が結婚しているのは知っているのだから、真理もあきらめてくれると思っていたんです」

 ところが真理さんにとっては、隼澄さんが「生きる希望」だったのだ。だから執拗に連絡を寄越した。そしてそれがついに美枝子さんに疑念を抱かせた。

「『隼澄、ごめん。携帯見ちゃった』とある日、美枝子に言われました。『こういう人がいるんだったら私たち、別れよう。もう私も大丈夫だし、気にしなくていいから。彼女のところへ行ってあげて』と。そうじゃないんだと言っても、美枝子は『人は自由でいるべきだと思う。私がそう思ってるのは隼澄も知ってるでしょ』って。だから違う、そういうことじゃないんだと、自分の当時の気持ちをすべて白状しました。町で拾われた話はしませんでしたけど」

手紙を書いて妻に説明

 感情をきちんと言葉にするのは苦手だったが、隼澄さんは必死で説明した。言葉が足りなかったから美枝子さんに手紙も書いた。自分がいかに美枝子さんに頼っていたか、美枝子さんを愛しているか。その気持ちがあったからこそ、弱い自分は真理さんに救いを求めてしまった、真理さんを悪く言うつもりはないがたぶん、お互いに誰でもよかったのだと思うと。すべてが本音だった。

「『隼澄の弱さはわかっている。弱いのはいいけど、ずるいのは嫌なんだよね』と美枝子に言われました。確かに僕はずるかった。でも僕の気持ちは変わらない。僕が愛するのは美枝子だけなんだと言い続けています」

 彼の気持ちは変わらなくても、彼のしたことによって美枝子さんの気持ちは変化したはずだ。今でもかつてと変わりない信頼関係を築けているとは思えない。だが、それも理解した上で、「美枝子だけを愛している」と隼澄さんは毎日、言い続けている。今のところ、離婚という話にはなっていないが、美枝子さんを傷つけたことについて、彼はどういう償いをしたらいいかわからないと力なくつぶやいた。

 ***

 妻を愛しているからこそ、失うかもしれない重圧に耐えられず、不倫をしてしまった――隼澄さんの言い分はこういったところだろうか。それを美枝子さんが赦すかどうかはわからないが、【記事前編】で紹介した2人のなれそめを振り返れば、彼の想いの強さはうかがえる。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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