妻に訪れた“試練”に50歳夫は取り乱し…行きずりの女性となぜかホテルへ 「混乱していた」ではすまない繰り返された過ち

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【前後編の後編/前編を読む】自称“愛妻家”なのに…50歳夫はなぜ不倫の沼に落ちたのか 「反省はある。でも妻を愛しているからこそ」の言い分

 「愛妻家」を自任する岡村隼澄さん(50歳・仮名=以下同)だが、現在、妻の美枝子さんとの関係はギクシャクしている。もともと大学の同級生だった2人の関係は、隼澄さんのひと目惚れから始まった。しかし、束縛されたくない美枝子さん彼からのアプローチをかわし、なかなか交際には至らなかった。転機は卒業後、就職先の人間関係で美枝子さんが悩んだことだった。隼澄さんが相談に乗るうちに2人は急接近し、27歳のときに結婚、男女の子に恵まれた。幸せな家庭を築いた隼澄さんだったが、今から2年前、夫婦に大きな試練が訪れた――。

 ***

 美枝子さんに大きな病気が見つかったのだ。出張が続き、まだコロナ禍ということもあって、その年の会社の健康診断を受けることができなかった。できるだけ早く会社が提携している病院で受けるようにと言われたのだが、忙しさにかまけて受け損なった。翌年、健康診断でひっかかった。

「なんとなく体がだるいとは言ってたんですよね。疲れがたまっているのかなあ、もう更年期だしと言うことも増えた。健康診断でひっかかり、精密検査を受けたところ大病が見つかりました。大学病院を紹介され、意気消沈している美枝子に僕も付き添いました」

 その結果、いきなりの余命宣告。もってあと1年、手術はできないと言われてしまった。美枝子さんは、それでも医師に食らいついていたが、隼澄さんはその場でふらついて倒れそうになり処置室に運ばれたという。

「どうして私が倒れないで隼澄が倒れるのよと美枝子にあとから怒られましたが、それくらいショックだったんですよ」

 化学療法について説明されたが、それがどのくらい効果のあるものなのかはわからない。美枝子さんはセカンドオピニオンをとったが結果はたいして変わらなかった。

泣きながら妻に抱き着いて…「バカですよね」

「さてどうしようと美枝子は落ち着いて言いました。僕は宣告されたあの日から食べるものも喉を通らない状態で。『しっかりしなさいよ』と美枝子にどやされても、どうしたらいいかわからなかった。美枝子は『今はまだ、子どもたちには言わないで』というから、なんとか普通に暮らそうとしたけど、ほんと、あのときは常に頭がこんがらがって、すぐに涙があふれてきて。完全に混乱していましたね」

 美枝子さんは自分で医師と話し合い、新薬も含めた化学療法を受けることに決めた。もちろん仕事も続けていく。効くかどうかわからなくても、それに賭けると言った彼女の顔は覚悟を決めた表情だった。

「『大丈夫、私は生き抜くから』と彼女が言ったとき、僕はビービー泣きながら抱きついてしまいました。まったく情けないんですが、彼女を支えなければなんて思わなかった。美枝子に救ってほしかった。バカですよね……」

 彼は会社に妻のことを伝え、重要な仕事からしばらくはずしてもらえるように取り計らってもらった。決定事項の多い仕事ではなく、下支えするような仕事に変わったという。

「精神的に耐えられなかった。子どもたちには美枝子が病気だとは伝えたけど、その重大さは伏せようと思ったんです。でも妻は、私が覚悟を決めたのだから子どもたちにも話したほうがいいと考えを変えた。ある日、夕飯後になにげなく『私、病気になっちゃった』と話し始めた。さすがに余命宣告のことは避けましたが、何があるかわからないけど、とりあえずは今まで通り暮らしていくと力強く言ったんです。当時、大学生の息子は、わかった、僕も協力すると言い、大学受験を控えていた娘は泣いていました。美枝子は『泣くな! 泣いていても始まらないの。私は闘うからね。あなたも闘いなさい、自分と』って。強いですよね」

 その状況を見ながら隼澄さんは号泣。子どもたちからも「いちばん心配なのはおとうさんだ」と言われた。

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