住所は知らない、いつも泊まっていかない彼女…プロポーズしたら「既婚者なの」 40歳男性はなぜ騙されてしまったのか

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クリスマスはどうすると聞いたら…

 それから数ヶ月、ふたりの蜜月状態は続いた。慎二さんが慣れない仕事でミスをして落ち込んだとき、深夜のラーメン屋で励ましてくれたのは紀代乃さんだった。何かあればこの人はいつでも隣にいてくれる。彼はそう思い、その思いでがんばることができた。

「12月に入って、クリスマスはどうすると聞いたら彼女は『仕事』と答えたんですよ。僕は実は彼女の仕事については詳しく把握していなかった。輸出入にかかわる仕事をしているから時差もあるし、けっこう時間帯がめちゃくちゃなのとしか聞かされていなかった。職場は閉鎖的だと嘆いていたこともあった。会社名も知らなかった。ときどき、深夜や朝方にメールを送ってくることもありましたね、今もまだ会社にいる、取引先からの連絡待ちだとか言って。忙しいということだけはわかっていたけど、クリスマス時期は海外も休みのはず。

 そう言ったら『そうなんだけどね……』と言葉を濁した。『じゃあ、年末年始に旅行しない? 今からでもどこかあるよ』と言ってもはっきりしない。でももう、僕も引くつもりはなかった。彼女を好きだったから。結婚しよう。また迫りました」

 だがそこで彼が聞いたのは、「ごめん、私、結婚してるんだ」という言葉だった。

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 慎二さんが受けた「貞操権侵害」。紀代乃さんの衝撃の告白を受けて、彼はどう振る舞ったのだろうか――。【記事後編】では、慎二さんのその後の展開を紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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