恒例行事のコミケにさえ行けない…「実家」に束縛された推し活仲間が苦しみの末に選んだ「最悪の手段」【川奈まり子の百物語】
【前後編の前編/後編を読む】故人はなぜ彼の参列を望んだ…? 推し活仲間のオンライン葬儀で20代女性が見た異様な光景【川奈まり子の百物語】
これまでに6,000件以上の怪異体験談を蒐集し、語り部としても活動する川奈まり子が世にも不思議な一話をルポルタージュ。今回は、推し活にいそしんだ2人の女性、そのあまりにも悲しい行く末を紹介する。
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【写真を見る】「幽霊でもいいから会いたい」残された遺族の心を救う“死者との再会”
去年、口承文芸研究家の飯倉義之教授をインタビューさせていただいて傾聴した話の一つに、カワウソが女に化けて湯灌をするという逸話があった。
先生が約20年前に新潟県でフィールドワークをした折に、地元の古老から採取したこんな体験談だという。
「戦前のこと、とある月夜の晩に畑の真ん中で女が亡骸を湯灌しているのを見てしまった。恐ろしくなってその場から逃げたが、後で村の人に話すと『それはカワウソだ』と教えられた」
飯倉先生は筆者にこの話を紹介しながら、
「現代人なら、奇妙な真似をする女の正体をカワウソだとは思わず、その女は幽霊で、心霊現象が起きたのだと解釈するのではないでしょうか」とお話しされていた。
同感だが、今はそもそも湯灌を見たことがない者が大多数だ。
死体を洗っている女を見て、湯灌していると即座に判断できるだろうか? もしも私自身が、屋外で夜間に女が死体を弄っているところに行き合わせたら、大急ぎで110番しそうな気がする。
怪奇現象だと判断したとしても、カワウソが人を化かしたとは思わず、幽霊か、さもなければ狸や狐を思い浮かべるのが関の山かもしれない。
また、私には、さまざまな不思議な事象をすべて宇宙人がやったことだと言いたがる知人がいるのだが、彼なら「それは宇宙人のしわざだ。誘拐した人を連れていくために迎えのUFOが来るのを畑で待っていたのだ」と言いかねないと思う。
ことほどさように、同じ場面に遭遇したとしても、奇怪な出来事が進行していればいるほど、見る者によって解釈が異なることがあるものだ。
さらに、こういう話はカワウソが登場するような昔話に限らず、現代でも起こり得るようだ。
最近、とある体験者さんから傾聴した話がそれにあたるので、以下にご紹介する。
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