「普通の考え方では対応できない」…80年代に“埼玉の民家”で「ライオン」を飼育した40代女性 前夫・仲人らが証言した妙な人間模様

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自分の身の上は決していわない人

 旅役者、劇団主宰、踊りの師匠、テレビ俳優、調理師、薬剤師、画家、化粧品セールス、バーマダム……彼女が経験したと称する職歴は、どこまで信用していいのかアテにならないが、

「昭和35年ごろ、私たちに相談に来て、『T』というバーを開店しました」

 と、当時、その近くの駐在所に詰めていた巡査夫人が証言する。

「それまでは、建設業者と結婚して、特に何もしてなかったと思います。とにかく、自分の身の上は決していわない人でね。“夫にさえ自分の素性だけは絶対に知られないようにしてるの”なんていってましたもの。その方と別れてすぐ、お店を始めたんです」

 店はよくハヤっていたが、

「お酒が好きでしょう。つい、モトまで飲んじゃって、とうとうつぶしましてねえ……」

 店をつぶしたあとは、化粧品のセールスを始めたが、その間にタクシー運転手と結婚。先の巡査夫妻が仲人をした。

「Kとは、どこで知り合ったのか忘れたけど、昭和41、2年ごろ。当時は化粧品のセールスをしてた。気位の高い女で、酔っ払うとよく、“世が世なら、平民なんかと一緒になる女じゃない”なんていってたけど、オレと一緒になる前は、どこを転々としていたのか知らない。でも、稼ぎはよかったよ。化粧品セールスのほかに、日本舞踊の出張教授もして、自分で車を持っていたくらいだからね」

 と、その前夫(47)。

離婚の原因はラッキーではない

「そのころから、動物はいっぱい飼ってたさ。犬がマルチーズとペキニーズ、それに九官鳥だろ。1匹3000円もする金魚が7、8匹。Kの動物好きは、金持ちの奥さんがお洒落で小犬を抱いているのとは違うんだよね。シンから好きなんだ」

 2人の結婚生活は6、7年で終わった。

「とにかく“ラッキーが自分の夫なんだ”というのがKさんの気持で、普通の考え方では対応できないんですよ」

 と、今回の騒動で保健所長は嘆く。だが、離婚の原因はラッキーではなかった。

「何年か一緒にいるうちに、Kにどうも男ができたらしいことが分かったんだ」

 と前夫が続ける。

「当時、オレはタクシー運転手をやってたから、行き違いが多かったものでね。それで、オレも面白くないから、友達んとこで泊まっちゃったりすることが多くなった。そして、ある日帰ってみたら、家ん中がモヌケのカラだった。イヌや九官鳥や金魚もろとも、Kが消えてたんだ。そのあと、何かの用で戸籍を取ったら、もう2年も前に、Kの籍は抜けてたんだよね……」

 何ともノンビリしているというか、妙な夫婦である。

「相手の男が獣医のYだとは、もっとあとになって知った。オレの友達が“いえなかったけど、実はオマエが留守のときに、オマエの家を訪ねたら、彼女とYが寝ていたんだ”と教えてくれたんだよ」

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