2026年のマンション市場は中古が主役? 新築が伸びにくい3つの理由
最高倍率139倍のタワマンも
次に、商品企画について見てみたい。2025年4月より、原則すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務化された。マンションでは、「ZEH-M Oriented」仕様のものが目立つが断熱性や省エネ性が高まる一方で、建築費の上昇にもつながっている。
2027年4月には、この基準をさらに上回る「GX ZEH-M」が導入される見込みで、求められる性能基準が高まることで建築費がさらにアップするという。原価ベースでは、新築マンション価格上昇は、これからも避けられないかもしれない。
商品ラインアップで、注目を集めたのが都心のタワーマンションだ。「リビオタワー品川」は、JR「品川」駅から徒歩13分の地上34階建て・総戸数815戸の超高層大規模タワーマンション。
スカイラウンジ、フィットネスジム、ゴルフレンジなどスケールメリットを活かした多彩な共用施設が魅力で、2025年春に行なわれた第1期1次221戸の販売では、最高倍率139倍、平均倍率は約12倍で即日完売した。他にもブランズタワー大崎など希少立地のタワーマンションは、好調な売れ行きを示す。
都心の新築分譲マンションに人気が集まるなかで、価格高騰の一因ともなる短期転売による投機的な動きの懸念も。7月には、千代田区が一般社団法人不動産協会に対し区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請を実施した。
一般社団法人不動産協会は、11月に登録・購入戸数の上限制限、契約・登記等名義の厳格化、引き渡しまでの売却活動禁止を基軸とした対策を順次展開すると回答。既に一部のマンションでは、引き渡し前の売却活動が禁止された。こうした動きが広がり投機的な取引が抑制されることを期待したい。
中古マンション市場の「気になるデータ」
2026年は、マンション市場にとってどんな年になるのだろうか。いちばん懸念されるのは、政策金利引き上げによる不動産市場への影響だ。
今までは、住宅ローン控除が活用できれば金利の低い変動金利なら、実質的な金利負担は小さかった。今後さらに政策金利が引き上げられれば、購入予算にも影響が出るだろう。首都圏新築分譲マンションの2025年11月度の初月契約率は、60.2%と好不調の目安となる70%を大きく下回る。
2025年11月度建築着工統計調査報告によれば、4月以降首都圏のマンション着工戸数の減少が見られ、供給戸数の増加は、期待しにくい状況だ。
逆に、値ごろ感のある中古マンションには注目が集まりそうだ。2025年11月の首都圏中古マンションの在庫件数は、前年同月比-5.5%の4万3156件と4カ月連続で減少している。
成約件数も前年比で大幅に伸ばしており、月間の成約件数では新築マンションを大きく上回っている。値ごろ感のある神奈川県、埼玉県、千葉県の成約数の伸びが大きい。インフレによる物価上昇で家計の費用負担は増えており、生活防衛的な側面もあるのだろう。
中古マンション市場では、気になるデータもある。一部の地域で、新規の中古マンション売出し価格と成約価格の乖離が大きくなっているのだ。東京都が該当し、2025年11月度の成約平均価格が6930万円であるのに対し同月に新規に登録された中古マンションの平均価格は、8346万円で約17%程度もの乖離がある。因みに埼玉県、千葉県、神奈川県は、成約平均価格を新規登録平均価格が下回っている。
都心3区(千代田区、中央区、港区)に限れば、2025年11月度の新規登録平均価格が前年同月比35.1%の上昇の2億219万円。いっぽう成約平均価格は、1億3333万円で34%も成約価格が低い。マンションごとの個別性が強いことやリノベーション物件が多いことも乖離の理由と考えられるが、都心で中古物件を選ぶ際は、しっかりした相場観を持つことが重要だろう。
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