岸田文雄元首相まで“宣伝利用” 海外オンラインカジノを普及させて日本のポーカー愛好家を「ギャンブル漬け」に…日本最大のポーカー大会「JOPT」の実像
ポーカー大会「ジャパンオープンポーカートーナメント」(JOPT)の”罪”は、「違法ウェブコイン」ばかりではない。1〜2年前までポーカープレイヤーを「オンラインカジノ」に誘導していた“前科”もあるのだ。(全3回の第3回)
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第2回【過去にオンラインカジノのアフィリエイトでボロ儲け 「違法ウェブコイン」をアミューズメントカジノにばら撒いた「日本のポーカー王」の正体】からの続き
【写真】アミューズメントカジノ業界を一代で創りあげ、「オンラインカジノ」と「違法ウェブコイン」を普及させた「日本のポーカー王」
「新規登録者には無料で20ドル」とオンラインカジノへ誘導
デイリー新潮が4月、薮内氏を取材した目的はウェブコインの他にもう一つあった。JOPTが過去展開してきた「違法ビジネス」についてだ。JOPTは昨年まで10年近くにわたり、「ポーカースターズ」や「GGポーカー」といった海外違法オンラインカジノ業者と組んで、インフルエンサー活動、宣伝活動を行い、アフィリエイトで収益を上げていたのである。
その時代の狂乱ぶりを業界関係者はこう振り返る。
「会場内にはデカデカとポスターを掲示。提携オンラインカジノに初回登録すると『無料で20ドルもらえる』と書かれたチラシを配布していた。ポーカー大会の一部の予選もオンラインカジノ内で行われていました」
しかも裏でグループ会社が決済代行まで行っていた。薮内氏がかつて代表を務めていた「クイーンズゲート」という会社などである。
「オンラインカジノは日本では違法だったので、利用者は直接、カジノ内の通貨を購入できない。だから、利用者は決済代行会社に銀行振り込みして通貨の購入を代行してもらうのです。当然、代行会社には手数料が入ります」(同)
薮内氏は、ポーカープレイヤーがオンラインカジノにのめり込めば込むほど、グループ企業に「チャリンチャリンとお金が落ちていくシステム」(同)を構築して少なくとも数年間は荒稼ぎしていたというのである。
「薮内はこの違法ビジネスで、莫大な資産を形成したと言われています」(前出・業界関係者)
ディーラーにも「ギャンブル依存症は多い」
しかも、薮内氏は摘発されることもなく、社会問題化し始めるとしれっとオンラインカジノビジネスから撤退していた。
それを問うと薮内氏は「オンラインカジノを広めてしまった責任は感じています。昨年9月17日、自ら警視庁の対策本部に出向き、やめるよう指導されたので撤退しました」と全面的に“罪”を認めて謝罪。昨秋以降、責任を取る形で全てのグループ企業の役職を降りたと語った。
しかし、JOPTグループがやってきたことは「お騒がせしてすみません」で済まされることなのだろうか。
「いくら何でもやりすぎ。ポーカープレイヤーをギャンブル漬けにしてきたと言っても過言ではありません」(業界関係者)
都内アミューズメントカジノ店経営者は、六本木の騒動後も、新宿や六本木では変わらず一晩で100万円以上動くゲームが夜な夜な繰り広げられていると語る。
「みんな換金できるウェブコイン集めに狂っているからです。『ポーカープロを目指す』と夢見た若い子たちが借金を抱えながら、身の丈に合わないギャンブルにのめり込んでいる。お店もグレーとわかってはいるが、客のニーズがあるから簡単にはやめられない。実はディーラーにもギャンブル依存症が多い。仕事後が終わったら朝までやっている店舗に客として遊びにいく子も少なくありません」
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