岸田文雄元首相まで“宣伝利用” 海外オンラインカジノを普及させて日本のポーカー愛好家を「ギャンブル漬け」に…日本最大のポーカー大会「JOPT」の実像
ウェブコインを介した「ポーカー賭博」は続けられている
このような文言とともに、にこやかに笑う岸田氏らの写真を掲載。さらに、JOPTはこの議連に参加した警察幹部の名前まで出して、警察との「連携」も主張していたのである。
立憲民主党の水沼秀幸衆議院議員は、「お墨付きを与えているかのように利用されないよう警察や議連メンバーは気をつけるべきだ」と指摘する。
しかもウェブコインを運営している「ポーカーギルド」社は警察から違法性を指摘された後も、まだウェブコインの取り扱いをやめていない。今後の方針や「3店方式」について質問状を送ると、下記の回答が届いた。
〈当社といたしましては、報道および警視庁をはじめとする関係当局の動向を厳粛に受け止めております。その上で、今後、業界団体を通じて行う、警視庁をはじめとする関係当局との確認および対話を踏まえ、必要な運用見直しや是正措置が求められる場合には、速やかに対応してまいります。当社サービスをご利用いただいている加盟店および利用者の皆様が、法令を遵守した適切な運営を継続できるよう努めるとともに、必要に応じて加盟店への周知・指導を行い、健全な運用の徹底に努めてまいります〉
JOPTにも、ロビー活動やギャンブル依存症対策についての考えを問う4項目にわたる質問状を送ったが、届いたのは「今回開催するJOPTを含め、弊社主催イベントにおいては、ウェブコインの付与を見送る対応といたしました」という回答だけだった。
両社のコメントはいずれも薮内氏を介して返ってきたものだ。薮内氏は記者との電話のやり取りで「警察とグレーゾーンの解消に向けて折衝を続けている最中」などとてんやわんやの様子だった。今もグループ会社に影響力を持っていると思われる。
しかし、前出のアミューズメントカジノ経営者は業界内でJOPTグループに対する信頼は「完全に失墜した」と語る。
「さすがに大手スポンサーは手を引くでしょうね。来年以降、アミューズメントカジノだけでなくポーカー大会に対しても警察が介入していくのではないか。ウェブコインは停止するのは時間の問題だろうが、一度、『ウェブコイン中毒』になってしまった店舗は手を替え品を替え、賭博性を維持しようとするでしょう。もう一つ注目すべきは『ウェブコイン』で誰が一番儲けたかということ。まだ違法性が指摘されている段階ですが、警察が違法な収益と見なせば、大儲けした『胴元』が摘発される展開も考えられる」
「マインドスポーツ」という位置付けの中、今起きているポーカーブームは一見煌びやかに見える。だがポーカーの本質がギャンブルであることに変わりない。社会は大阪カジノ解禁前からすでに「新興ギャンブル」が無法な状態で浸透し、深刻なギャンブル依存をもたらしている状況に注意を払っていく必要がある。
JOPTは1月4日まで高田馬場で開催されている。そして、今日もどこかのアミューズメントカジノでウェブコインを介した「ポーカー賭博」が行われているかもしれない。
第1回【「1日で100万負けた」「クレカがパンク」の悲鳴 “適法”ポーカー大会で若者たちが「ギャンブル地獄」に 賞金「現金1億円」を掲げ海外カジノに誘導する大会も】では、主催者が「マインドスポーツ競技」と謳う一方、会場内で熱くなって限度を超えて「ギャンブル」に興じてしまう参加者たちの様子を伝えている。
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