「1日で100万負けた」「クレカがパンク」の悲鳴 “適法”ポーカー大会で若者たちが「ギャンブル地獄」に 賞金「現金1億円」を掲げ海外カジノに誘導する大会も
若者たちの間で起きている空前のポーカーブーム。繁華街に急増した「アミューズメントカジノ」とともにポーカーを楽しめる場として活況を呈しているのが、大規模会議場などを貸し切って開催される「ポーカー大会」だ。主催側は「マインドスポーツ競技」を謳い、賭博にならないよう“適法化”して運営していると主張。だが実態は、熱くなったプレイヤーが1日に100万円以上の大金を散財する「大ギャンブル大会」になっている。(全3回の第1回)
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【写真を見る】アミューズメントカジノの「ウェブコインポーカー賭博」で2日の間に750万円負けた客に店が送った「恐怖の追い込みLINE」
緊張した表情で会場入りする参加者たち
ポーカープレイヤーが頂点を目指す国内最高峰と言われている大会が「ジャパンオープンポーカーツアー」(JOPT)だ。年に3回の東京大会の開催期間中、会場の最寄り駅であるJR高田馬場駅前は異様な雰囲気に包まれるという。
「朝10時くらいになると、駅から会場の『ベルサール高田馬場』までの徒歩10分くらいの道を大会の参加者が黙々と列をなすように歩きます。緊張した顔でガッチガチになっている20歳くらいの男の子が多く、受験生を見ている気分になります」(業界関係者)
1週間くらいの期間中、タイムテーブルに沿って100以上トーナメントが組み込まれ全国から延べ2万人以上のポーカー愛好家が参加するというこの大会。愛好家たちが目指すのは自分が参加するトーナメントの頂点に立って、優勝トロフィーと「高額プライズ」をゲットすることだ。
「10月に行われた前回大会『メインイベント』の優勝賞品はウェブコインと呼ばれるデジタル通貨『2,000万円相当』でした。ウェブコインはアミューズメントカジノにも流通して、事実上の賭博行為が行われている実態があり、今月、警視庁はウェブコインの付与は違法性があると運営側を指導。今月27日から始まる東京大会からは使えなくなりました」(同)
「ポーカープロ」を目指す者たち
参加するトーナメントによって参加費は変わってくるが、メインイベントは12万円。それだけの出費で運が味方し2000万円相当の「賞金」を一撃でゲットできると聞くと、ギャンブラーならば誰もが魅力を感じるだろう。
「よし、この大会で優勝したら俺も仕事をやめて海外に渡り、ポーカープロになろう、なんて若者が大勢いますね」(同)
ただ「賞金」ありきではなく、栄誉を求める参加者も決して少なくないという。
「大会で上位に入り、Xのプロフィール欄に『JOPTメインイベント3位』『サイドイベント8位』などと、入賞歴をずらっと並べて、自分が加わっているコミュニティ内で“自分は上手い”とマウントする人が多い界隈です」(同)
定刻になると、会場を埋めるように設置された100テーブル以上のテーブルに数百人のプレイヤーが着席。「シャッフル・アンド・ディール」の掛け声とともに白熱した勝負が始まる。
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