「TBSの真実はどこにある?」日テレ・フジが仕掛ける“土曜報道戦争” 報道系と情報系の「矛盾」つく
「with MUSIC」は終了
日本テレビとフジテレビが来年4月から1時間の大型報道番組をスタートさせる。日テレは土曜午後10時から、フジは同5時から。ともにTBSの情報番組「情報7daysニュースキャスター」(同10時)、同報道番組「報道特集」(同5時半)との対決となる。有働由美子氏(56)がMCの音楽番組「with MUSIC」(同10時)は視聴率が低迷したまま終了する。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】
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2024年4月に始まった「with MUSIC」が終わる。今月13日放送の個人視聴率は1.9%(世帯3.1%)。同じ時間帯の「情報7daysニュースキャスター」は同個人6.7%(世帯11.0%)だったから、大きく水をあけられている。
「with MUSIC」の視聴率不振はこの日に限らない。今月6日放送が個人2.3%(世帯3.7%)。「情報7daysニュースキャスター」は個人4.9%(世帯8.4%)。11月29日が放送休止。同22日が個人2.9%(世帯4.7%)で「情報7daysニュースキャスター」は個人6.2%(世帯10.4%)。「with MUSIC」は日テレが重視するコア(40代以下の個人視聴率)も振るわない。
これまでに繰り返し書いてきたが、テレビ界は昔も今も視聴率で動いている。「もう視聴率は関係ない」という論は低視聴率局を悪いイメージから救うためのデマに過ぎない。視聴率の悪い番組は終了を余儀なくされる。
「with MUSIC」は2024年3月末に同じ日テレの「news zero」を本人の希望で降板した有働由美子氏がMCを務めている。2018年にNHKを退局した有働氏は挑む番組の全てがヒットしてきたが、初めての蹉跌となる。
本稿の取材によると、日テレが代わりに放送するのが報道番組だという。これまで苦渋を飲まされてきた「情報7daysニュースキャスター」に対し、ほぼ同じジャンルの番組をぶつけるところが、視聴率上位でプライドが高い日テレらしい。
高視聴率番組の「情報7daysニュースキャスター」には簡単に勝てないように思えるが、テレビ界の見方はやや異なる。勝機は十分あると考えられている。第1に、日テレには放送開始から13年が経過した「真相報道 バンキシャ!」(日曜午後6時)の成功例があるからだ。同番組は高視聴率を獲得し続けている。
一方、「情報7daysニュースキャスター」は情報制作局がつくっている。日テレにとって、ここが攻めどころというのがテレビパーソンの読みだ。
TBSの情報制作局はほかに「サンデージャポン」(日曜午前9時54分)や「ひるおび」(平日午前10時25分)など右寄りとされる番組をつくっている。左寄りと指摘されがちな「サンデーモーニング」(日曜午前8時)、「報道特集」(土曜午後5時半)は報道局の制作である。
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