夫婦の“価値観の一致”ってどういうこと? “共通の趣味”でも“食事の好み”でもない意外な具体例…「ファストフード」「掃除」「行列」への考え方が地雷になることも

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 結婚するにあたって重要なこととして「二人の価値観が共通していること」がよく言われる。これは全くその通りなのだが、この言葉だけだとあまりにもシンプルすぎて、重要性が伝わらないのではなかろうか。“価値観の共通”こそ、相手と交際し、結婚して家庭を持つ上で、何より重要なファクターであると言っても過言ではない。その価値観とはなんなのか、本稿ではもっと具体的に提示していきたい。【取材・文=中川淳一郎】

部屋がスモーキーマウンテンに

 とにかく「価値観」という言葉がざっくりし過ぎており、もっと具体的に言語化し、定義した方がいい。夫婦生活というものは些細なことで破綻することが多いからだ。筆者は結婚13年目であるが、妻とは仲良くしていると思うし「価値観」は合うと思っている。彼女に対して腹が立つことはあまりないし、彼女も私と一緒にいることは、まぁまぁ快適だと思っているだろう。

 なぜうまくいっているのか? その要素が一体なんなのか? を突き詰めて考えてみると、私と妻の場合、相当重要な要素となっているのが「家の汚さの許容度」であることに行き当たった。妻は言われるのを嫌うだろうが、我々夫婦は色々なものが床に積み上がり、雑然としていて、さらに掃除機すらかけない部屋を良しとしているのだ。

 脱いだ靴下などをそこらへんに投げていたり、新聞やら雑誌がその辺に乱雑に積み重なっていることは、多くの男性にとっては一人暮らし時代からの「当たり前の行為」であろう。しかし、こうした行為が、女性にとっては許されざるものであることが多いのだ。

 そんな中、我々夫婦は「片づけられた部屋」にあまり価値を見出していない。何しろ、二人揃って日々モノカキ業務に追われていて、忙しい。

 そのため、部屋をきれいにすることのプライオリティが極めて低くなっているのである。部屋が汚かろうが仕事ができればいいし、寝られればいいし、メシが食えればいい。そのような割り切りをしているため家はどんどんフィリピンのゴミの山であるスモーキーマウンテン的になっていく。

 部屋の汚れ具合の許容範囲――これが、私たち夫婦がうまくやるにあたって大変重要なことである。何か床に置いてあると「決められた場所に置け!」と言いたくなる人と、「ここに置いておいても別に問題はないだろ?」と思う人間は根本的に合わない。

 私たちは正直「不便が過剰になったらなんとかする」という感覚でいるため、時々ドッカーンと大掃除をしてモノを捨て、床に積もった埃をキッチンペーパーで拭き取る。掃除機がないので、このようにせざるを得ないのだ。

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