「中学生まではダメ」「むしろ無菌状態のほうが危ない」…小学生のわが子からスマホをねだられた親が頭を抱える“本当の理由”

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親もSNSなしでは生活できない現実

 そうした子どもの気持ちは、親も知らないわけではない。親どうしの繋がりはそれなりに強固であり、それこそスマートフォンとSNSのおかげで情報の流通も速い。

 子どもの希望は叶えてやりたい反面、依存してしまうことや犯罪に巻き込まれることなど、不安が尽きることもない。

 Cさん宅では、平日には学習塾か習い事か、だいたいどちらかに通わせているのだが、今や親へも子どもへも連絡はメールかSNSが基本である。今時の課外活動では、スポーツ、ダンス、英会話、何にしても連絡はもちろん、実際の様子の報告にしてもスマートフォンとSNS抜きでは成り立たないのが現実だ。

 昨今、一部の習い事ではマイクロバスによる送迎もあるというが、すべてがそうというわけではない。子ども一人で課外活動に通わせるのは通学とは別の心配もあり、家事や仕事で忙しい親が連絡を受け取っていちいち伝えるのも手間なことから、どうせならとスマートフォンを子どもに持たせるきっかけとなるケースも珍しくはないという。

「連絡だけならまだしも、親の目の届かないところでゲームやSNSのアプリを入れて目立たないよう隠したり、有害サイトへ行って履歴を消したり。それこそ、ネットで質問すれば誰かが答えてくれるし、子どもって普通の遊びのなかでも、いつのまにか悪知恵を身に付けているんです」

 そうBさんは心配を隠さない。

 スマートフォンを持たせることのメリットとデメリットをどう評価し、どう折り合いをつけるか。親としては、さぞかし悩ましいことだろう。

 第3回【タイトル「33億件のユーザーID」を不正取得して逮捕された中学生も…デジタル教育の強化で“サイバー犯罪の低年齢化”を進めないために何が必要か】では、世界中の10代が大規模なサイバー犯罪で逮捕されており、その背景には幼い時からスマホを買い与えられていた事実などについて詳細に報じている──。

井上トシユキ(いのうえ・としゆき)
1964年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業後、会社員を経て、98年からジャーナリスト、ライター。IT、ネット、投資、科学技術、芸能など幅広い分野で各種メディアへの寄稿、出演多数。

デイリー新潮編集部

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