「中学生まではダメ」「むしろ無菌状態のほうが危ない」…小学生のわが子からスマホをねだられた親が頭を抱える“本当の理由”
6年生でスマホを買い与えた親
「通信費もバカになりません。子どもなのだから格安料金のもので十分という人もいますが、物価高でしょう。そのお金でおかずをもう一品、たまの休みに家族で外食をなんて考えると、おいそれと買い与えることには躊躇がありますね」(同・Bさん)
一方で、Aさん、Bさんと同じエリアに住むが、息子を小学校から私立の一貫校に通わせているCさん宅では、「どうせ使うなら慣れやリテラシーも含めて早いほうがいい」との考えから、3年生の誕生日にキッズスマホを、6年生からは普通のスマートフォンを買い与えている。
「ペアレントコントロールを入念に設定し、オンラインゲームはNG、勉強時間にはリビングのテーブルに置いておくなど、使用する時間や場面については親子で約束事を取り決めています」
そう胸を張るが、あまり口出しし過ぎないように気をつけてもいると話す。
「バカッター、サイバー犯罪、レスバトル、そういった良からぬ側面を知ることで、かえってリテラシーや倫理観が育まれると思うんですよ。暗黒面から遠ざけた無菌状態で褒めてるだけでは、これから生きていく逞しさというか、ネット社会での基礎体力みたいなものが身に付かないんじゃないかって」
自慢するクラスメイト
Aさん、Bさんは共働きであり、子どものスマートフォン利用に四六時中、目を配っていられるわけではないという点も悩ましいという。Cさんは主婦として母親として在宅していられるので、子どもの行動に比較的、目を光らせることができる。
そもそも、Cさん夫妻はIT系企業の同期として出会って結婚しており、夫は現役で勤めている。
スマートフォンの操作やリテラシーについて子どもに教えるのは、むしろ適任である。親の経済力や家庭環境によって学力だけでなく、ITへの適応力や技術力、リテラシーまで同年代で差が出ることになるのかもしれない。
これもまた、格差社会の一面なのだろうか。
Aさん、Bさんは学校の授業が終わった後は子どもを学童保育に預けている。小学校はもちろん、学童保育でもスマートフォンの持ち込みは厳禁されている。イジメや素行不良のきっかけとなりかねないことを懸念しての措置である。だから、子どもも簡単にはスマートフォンを持たせてもらえないことはわかっている。
しかし、帰宅するとなると話は異なる。スマートフォンを手に入れた子どもは自慢もしたいし、自撮りもしたい。夏休みに仲良しの家族どうしでキャンプへ行き、親のSNSに動画を上げてもらったと嬉しそうに自慢してくるクラスメイトを見て、羨ましいと思わない子どもはそうはいないだろう。
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