ホンネは「くじ運に恵まれた」!? 「W杯組み合わせ決定」で「厳しいグループ」を連発する「森保監督」の胸の内 「日本代表」に追い風となる“3つの条件”とは

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 サッカーの2026年W杯北中米大会の組み合わせ抽選会が終わった。森保一監督は、その後、キャンプ候補地を回り、12日に帰国。羽田空港での囲み会見では、「厳しい組に入った」と神妙な表情でコメントしていた。日本代表は1次リーグでF組に入り、強豪オランダが初戦、2戦目にはチュニジア、3戦目は欧州プレーオフB組(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニア)の勝者と対戦する。抽選直後から監督は「今回も厳しい組み合わせ」とコメントし続けているが、実際の腹の内はどうだったのか。

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くじ運は良くない

「くじ運、良くないんですよ」

 抽選会に旅立つ前、森保監督は周囲にそう漏らしていた。前回カタール大会では、優勝経験国のドイツ、スペインと同組の「死の組」。本人がくじを引くわけではないが、その記憶が頭をかすめていたのだろう。8大会連続出場となる今W杯。「本気で優勝を目指す」と公言している森保監督にとって、本大会1次リーグの組み合わせ抽選こそが、まさに最初のハードルだった。

 蓋を開けてみれば、初戦のオランダは日本がこれまで未勝利(1分2敗)、2戦目のチュニジアはアフリカ予選を全試合無失点無敗(10試合・9勝1分)で通過している。3月に決まる欧州プレーオフの勝者も実力国が顔を揃えている。それを受けて、森保監督は「厳しい組」と発信。スポーツ紙各紙にも、「厳しい1次リーグ」「最難関F組」といった見出しが並んだわけだ。

標高2200メートル

 しかし、実際の腹の内はまんざらでもないといったところではないか。

「標高2200メートルでの試合になりますからね……」

 森保監督が、実は抽選会の前に心配していたことは、対戦相手もさることながら、試合会場がどこになるのかということ。今回のW杯は、カナダ、アメリカ、メキシコの3か国計16会場で試合が行われるが、そのうちのひとつ、メキシコシティーのアステカスタジアムが会場の組に入ることを最も危惧していたわけだ。

 この標高は日本で言うと富士山の5合目(吉田口)あたりとほぼ同じ。酸素の濃度でいうと平地の約74%しかない。現在の日本代表はほとんどが海外組で、それも主力で活躍している選手ばかり。誰が入っても「史上最強のメンバー」が招集される。そこで監督が最も気にかけているのが選手のコンディション調整だ。今回、マスコミがしきりに報じているのが、6月の北中米の「暑さ」だが、森保監督がより注視していたのは、「高さ」。監督は、9月の米国遠征後にメキシコ視察に出向いているが、そこで軽い高山病の症状が出たという。

「現地(メキシコシティー)にいって初めてわかりました。プレーをしない私でさえ翌日にも軽い頭痛が続いてしまって、試合をする選手にとってはものすごくハードになる」

 JFA(日本サッカー協会)関係者も、もしメキシコシティーでの試合となれば、医学的な標高対策が不可欠だと語っていた。

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