スマホを持たせる「最悪の時期」は? 専門家が教える、子どもの将来を左右する“適切なタイミング”

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目的を明確に

 もし一つの目安を挙げるとすれば、中学受験などの大きなライフイベントが一段落し、生活リズムが整った中学1年生のタイミングが考えられます。逆に、最も避けるべきなのは受験期に持たせることです。新しい刺激に夢中になってしまい、勉強に支障をきたす可能性が極めて高いと言えます。もし受験を控えているのであれば、その時期は避け、合格後や新生活が始まってから導入することをお勧めします。

 もちろん、小学生のうちから塾や習い事の連絡手段として、通信機器が必要になるケースもあるでしょう。その場合は、機能が限定されたGPS付きの防犯ブザーや、通話とSMSに特化したキッズ携帯で十分対応可能です。どうしてもスマホを持たせる必要がある場合でも、「塾への行き帰りの連絡用」など、目的を明確にして管理しましょう。

 そして、スマホを持たせる際、重要となるのが、親子間での「契約」、すなわち家庭内ルールの設定です。これは、使い始める前に行うのが鉄則です。一度自由に使える状態を経験させてしまった後で制限を加えようとしても、子どもは強い抵抗感を示し、なかなか納得してくれません。

 持たせる前に、親子で「なぜ今、スマホが必要なのか」を一緒に確認することから始めます。例えば、部活動が始まると、練習日程や集合場所の変更といった連絡がグループLINEで頻繁に共有されるようになり、「持っていないと不便だ」という具体的な状況が生まれます。こうした必要性を共有することが、最初のステップです。

 次に、親として「勉強がおろそかになるのではないか」「夜更かしをして生活リズムが崩れるのではないか」といった懸念を正直に伝えます。その上で、「こうした心配をなくすためには、どうすれば良いと思う?」と問いかけ、利用時間や場所、アプリの追加といったルールを子ども自身に考えさせ、提案させるのです。

 子どもが自ら考え、主体的に決めたルールであれば、納得感を持って守ろうという責任感が芽生えます。

 もちろん、スマホを使い始めた後で、「利用時間をもっと長くしてほしい」「新しいアプリを使いたい」と希望することがあります。その際は、親子で話し合いながら「確かに塾が終わるのが遅くなったから、利用終了時刻を夜9時から10時に変更しようか」といった形で、状況に応じて柔軟に見直していけば良い。最も大切なのは、一方的にルールを押し付けるのではなく、親子が継続的に対話を重ね、共にルールを運用していくことなのです。

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 第1回【「やめなさい」は逆効果…スマホ依存の子に言ってはいけない「NGワード」と心理的ワナ】では、子どもをスマホ依存から守る方法を伝えている。

高橋暁子(たかはし・あきこ)
成蹊大学客員教授、ITジャーナリスト。SNSや情報リテラシー、スマートフォンやインターネットに関連する事件・トラブルとその対策を専門とする。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代+」などメディア出演多数。元小学校教員であり、高校生の母でもある。近著に『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)などがある。

デイリー新潮編集部

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