赤坂「高級個室サウナ」火災で夫婦が死亡…専門家を驚かせた“3つのナゾ”「何が出火原因で、なぜ煙が充満したのか想像もつかない」
12月15日の正午すぎ、東京都港区赤坂6丁目のビルで「建物の3階で非常ベルが鳴っている」と119番通報があった。東京消防庁の隊員や警視庁の警察官が駆け付けると5階建てのサウナ店「SAUNATIGER」の3階個室で火災が発生し、サウナ室の座る部分などが焼けていた。さらに利用客と見られる30歳代の夫婦がサウナ室の出入り口付近で折り重なるように倒れていた。
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【写真】ラグジュアリー感が漂うHPに「深くお詫び申し上げます」の謝罪文…火災現場となったサウナの個室には「スマホ持ち込みも可能」で、「ダイヤモンド会員」は“月額39万円”との表記も
倒れていたのは都内で美容室を経営していた夫と、その妻だった。発見当時は意識不明の重体だったが、医療機関に搬送された後に死亡が確認された。
担当記者は「火災が発生した『SAUNATIGER』はタレントのパンツェッタ・ジローラモ氏が監修を務めていることでも知られていました」と言う。
「赤坂という場所柄、“大人の隠れ家”をコンセプトに高級路線を前面に出していました。近隣の人々も『富裕層が利用しているお店』と認識していたようです。サウナは全て個室で、公式サイトによると1人部屋が2室、4人部屋が3室、さらに4人まで利用できる『ペントハウス』もありました。最も安い料金プランは2時間1万9000円のビジター料金。最も高額のプランは月額39万円の『ダイヤモンド会員』です」
警察や消防が注目しているのは火元、死因、そして「ドアノブ」の3点だ。実際、この3点は“謎”と言っていい。
「火災の発生した個室サウナの中では座席や壁が焦げており、さらに燃えたタオルが残っていました。煙が出たため室外の煙感知器が反応したほか、サウナの中にあった非常用ボタンが押されたような形跡が残っていました。ただし非常用ボタンは実際に作動したかどうかは捜査中で、作動しなかった可能性も取り沙汰されています」(同・記者)
サウナに閉じこめられた可能性
亡くなった夫婦の肩などには火傷の跡が残っていたが、命に関わるような致命傷ではないことが分かっている。
「警視庁は司法解剖を行い、死因を詳しく調べる方針です。焦点の一つに挙げられるのは、一酸化炭素中毒で亡くなられたかどうかでしょう。というのも、夫婦が亡くなった個室サウナの出入り口には木製のドアノブがあり、さらにドアの内側と外側のドアノブは共に外れ、床に落ちていたというのです。こうした状況から警視庁は夫婦がサウナ室に閉じこめられてしまい、外に逃げられなかったことと死因に関係がある可能性もあると見て、捜査を続けています」(同・記者)
公益社団法人日本サウナ・スパ協会は営業関係者の資質向上、正しい知識の普及、環境衛生の向上などを目的に1990年に設立された。インターネット上では「サウナ設備設置基準」を公開しており、設置要領や維持管理の手順などを解説している。
日本サウナ・スパ協会は「火災の起きた赤坂のサウナは、私どもの協会には入っていません」と答える。一部報道では「SAUNATIGER」は2022年に旅館業の許可を取得して現在に至っていると伝えている。
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