“許されない恋心”を抑えるために…妻を使って歪んだルーティーン 彼女に会う前日に46歳夫が必ずすること

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妻は疑っていないのか

 妻がそうした彼の心の変化に気づかないわけがない。

「妻には和輝と都美との関係など、ほとんど話していないんです。話す機会がなかったし、わざわざ言うことでもないような気がして。でも数ヶ月前、妻にセックスを拒否されました。『浮気の罪滅ぼしに私を利用していない?』と急に言われて。誰かと浮気しているようだと疑われてはいるようです。相手を特定してはいないと思っていたんですが、つい最近、『浮気相手はひとりじゃないの? 何かをカモフラージュしようとしてる?』とまで言われて。調べているのかもしれない。でも僕は『浮気なんかしてないよ。どうしてそう思うわけ?』と逆質問をしました。妻は黙っていたから、どこまで知っているのかもわからない」

 高校生と中学生の息子たちは、相変わらず元気で過ごしている。長男は最近、料理に目覚めたらしく、日曜日の朝などはおいしいオムレツを作ってくれることもある。平和な休日を迎えると、「遙香はどうしているのだろう」と気になってしかたがない。

「昼頃、どうしてるとメッセージを送ると、『ひとりで家にいる。久斗さん、来ませんか?』とか『久斗さんと美術館に行きたい。父が好きだった画家の展覧会をやっているの』とか返事がくる。そうすると、午後から『ちょっと出かけてくる』ということになってしまう。なるべく早く帰るようにはしていますが、遙香をひとりにしておくのも心配で」

 和輝さんの娘への思いを肩代わりしたい思いもあると言いながら、それがきれいごとであって自分が遙香さんに会いたいだけだという気持ちももっている。久斗さんが遙香さんと男女の関係になる可能性は高くはないが、「邪心があるだけで浮気だ」と決めつける人もいるかもしれない。

「そんな簡単に割り切れる感情ではないんですよね。僕の胸にはやはり和輝と都美への複雑な気持ちが絡み合っている。でも、きっとあのふたりにしかわからない時間の流れや経緯があると思う。娘の遙香も知らない、僕も知らないことはたくさんあるはず。僕ももっと和輝と都美のことを知りたい。でも、あのふたりがどういう感情の経緯をたどって離れることになったのかは、もう誰にもわからない。だからこそ、僕は遙香との疑似父娘関係を壊したくないんです。妻に言いたくないのは、それが僕の人生の根源となっているからかもしれません」

 親友とその妻への思い、そしてその妻への恋心は、今も久斗さんの中に根づいている。もう変わらない状況なのに、その娘にかつての思いだけを掘り起こされる。それは懐かしさとあいまって苦い気持ちも増加させていく。そして久斗さんはますます複雑な思いの中に埋没していくようだ。

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「人妻」との逢瀬はさておき、遙香さんとの関係においては一線を越えまいと踏みとどまっている久斗さん。だが、結果として“踏み台”のように妻を使っているその姿勢は、決して褒められたものではない――。【記事前編】では、こうした複雑な関係性の起点となった、親友たちとの過去について詳しく紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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