「お米券は絶対に配らない」 高市総理の経済対策に大阪・交野市長が真っ向から反論 識者も「1袋5キロのコメも買えないから、意味がない」

国内 政治

  • ブックマーク

「現金を5万円とか配ってくれないと意味がない」

 他方、コメと並んで高騰が続いていたガソリン価格は下がる見通しが示された。

 件の経済対策では「エネルギーコストの負担軽減」の一環として、ガソリン税の暫定税率が廃止となる今月末まで「定額補助金」引き上げの措置が行われる。

 具体的には、暫定税率廃止後と同水準までガソリン価格を下げるため、今月11日から1リットルあたり25.1円に補助金が引き上げられる運びとなったのだ。

 だが、都内にあるガソリンスタンド「田中商事西綾瀬給油所」の三枝直樹店長に尋ねたところ、

「原油の仕入れ値自体が高騰していますから、暫定税率が廃止されても、単純に25円下がるわけではありません。税金や補助金と仕入れコストとは別なので、円安を是正してもらわないと根本的な解決にはならないですよ。今の原油価格でも、3年ほど前のように1ドル115円くらいになれば、暫定税率なんて関係なくガソリンは1リットル120円くらいまで下がりますから」

 そう話した上で、

「物価が上がり困っている庶民と、政治家との温度差を感じます。お米券に3000円とか雀の涙でしょう。現金を5万円とか配ってくれないと意味がありません」

 石破政権下では選挙対策のバラマキと批判された「現金給付」の方が、まだマシと言われる始末なのだ。

「富裕層が得をする形になりかねない」

「9カ月連続で実質賃金が下がる中、庶民の生活実感から見ても、あまりにチマチマした対策が目につきます。今回の補正予算案で物価高が何とかなるという実感が乏しい。高市政権は“やっている感”を出そうとしているだけでは」

 と指摘するのは、経済ジャーナリストの荻原博子氏。

「個別に見ても、お米券や商品券など目玉とされている政策は独自性がなく、効果が薄いものばかりです。エアコンの買い替え支援も東京都がやっていたことのまねですし、そもそも新しく買うのに最大8000円程度の支援では全然足りない。量販店で値切った方が安くなるでしょう。子育て世帯支援の2万円給付についても、統計では子どもをたくさん抱えているのは年収の高い世帯が多い。貧しい家庭は余裕がなくて子どもが少ない。この支援策は所得制限がないので富裕層が得をする形になりかねません」(同)

 第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏は、こんな意見だ。

「与野党が伯仲する中で、バラマキ的な対策にシフトしてしまった感は否めません。“大きいことはいいことだ”と大規模な財政出動に終始するのではなく、日本経済の未来のための真の構造改革に資する予算配分を行うべきだと思います」

 もともと補正予算では根本的な物価高対策などできないとして、

「必要なのは構造的な問題に手を打つことです。現役世代については賃上げの促進が重要で、今回は中小企業対策が手厚いものになっているので、まったくの無策ではありません。もっと賃上げや中小企業の輸出振興策を充実させるべきです。いっそのこと経済対策に絞って、補正予算案全体の規模を10兆円くらいにとどめることも可能でした。それで国債発行をゼロにできていたなら、まさに『責任ある積極財政』という評価になったのではないでしょうか」

 前編では、21兆円規模の「総合経済対策」について、高市首相の「財務省敵視」の姿勢に触れながら、その成立過程について報じている。

週刊新潮 2025年12月11日号掲載

特集「高市首相が大盤振る舞い 21兆円補正予算 物価高騰対策に異論噴出」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。