「高市さんは財務省を意図的に“敵視”している」 補正予算会議で財務官僚をシャットアウト 「安倍さんの“財務省不信”を受け継いでいる」
【全2回(前編/後編)の前編】
年末は何かと物入りで懐が寂しい上に、この物価高である。さすがに看過できないと高市政権は過去最大規模、約21兆円の「総合経済対策」を発表。今国会で成立を目指すが、果たして凍てつく庶民の暮らしへの“特効薬”となるのか。早くも異論が噴出しているのだ。
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【写真7枚】まるで別人のよう… 「高市早苗首相」32年前の“意外過ぎるファッション”
現職の首相でさかのぼれば、故小渕恵三元首相の「ブッチホン」、小泉純一郎元首相の「米百俵(を含む小泉語録)」、鳩山由紀夫元首相の「政権交代」に並んで4人目の受賞になるんだとか。
今月1日、毎年恒例の「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のトップテンが発表された。
栄えある年間大賞には、高市早苗首相が自民党総裁に選出された際のスピーチで口にした「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」が、自身を指す「女性首相」と共に選ばれたのである。
だが、同賞の表彰式で満面の笑みを浮かべた高市首相とは裏腹に、われわれの生活は働けど働けど楽にならない……。これが必死で税金を納めている市井の人々の本音ではなかろうか。
「17兆円規模の予算案を突き返した」
実際、今年になって食料品は空前の値上げラッシュとなっている。民間調査会社・帝国データバンクの集計によれば、国内の主要食品メーカー195社が、年内に値上げした飲食料品は2万609品目にも上る。昨年と比べて6割超増えて、2年ぶりに2万品目を超える勢いである。
家計の緊急事態に対処すると息巻く高市首相は、先月28日に今年度の補正予算案を閣議決定。それに先立ち「総合経済対策」と銘打った約21兆円もの大型財政出動を閣議決定した。その子細は後述するが、一般会計の歳出総額は約18兆円で、コロナ禍以降で過去最大の予算規模。これを高市首相はトップダウンで決めたというのだ。
「当初、高市さんは財務省から17兆円規模の予算案を提示されましたが、すぐに突き返したそうです」
と明かすのは、政治ジャーナリストの青山和弘氏。
「積極財政を打ち出して総理総裁になったのだから、石破政権よりも補正予算の額が少なくては悪いメッセージになってしまう。私の取材では、財務官僚から当初の予算案を提示されたのが先月14日の金曜日。その週末には議員宿舎にこもって、高市さん自ら予算を積み上げる作業をしたそうです。その過程では片山さつき財務相や城内実経済財政相にも相談しています」
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