千葉の公立中で「塾講師」が教えたら全教科で“想像を超える”結果が…「日本版サプライティーチャー」で最も効果が期待される「教科」とは

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「普段の授業」は教員 「放課後の補習」は塾講師

 2年目の令和6年度からは、「児童生徒の学力を向上させるために、塾講師を効果的に活用する」という目的に変えた。

「塾講師は学習指導要領を読み込んでいるわけではないので、主体的・対話的で深い学びという視点ではない部分もありました。やはり普段の授業は、免許を持っている教員が指導すべきではないかと。一方、学力の底上げという観点で、塾講師を放課後の補習や、学校の教員の補助として活用するのは非常に有効だと分かりました。令和6~7年度は、まず教員の授業の補助という形で支援に入り、誰がつまずいているのか、教員はどういう教え方をしているのか見た上で、放課後1時間の補習を塾講師が単独で行っています」

 令和6年度からの学力向上を目的とした事業の中では、夏期講習もある。中学3年生は、夏の総体に向けて部活動があるため、1学期中に補習を行うか、あるいは夏季休業中にまとめて実施するかは学校の判断とした。

 小学校は年間を通じての部活動がないので、基本的に1学期から週2回程度、放課後に補習を行っている。補習は、基本的に希望する児童生徒が受ける形態とし、当初、各校30人を限度とした。しかし、希望した児童・生徒は学力の高い子もいれば、低い子もいて、学力差があり、補習の進め方に課題があったという。

「2年目からは、講習の実施方法や募集対象を工夫するように各学校に伝えました。例えば月曜日は発展コース、火曜日は基礎コースなどと決めるか、学校の実態に合わせて募集対象を限定しました。結果として、全ての学校が基礎学力を上げたいということで、基礎コースの設定になりました。日中4時間の授業支援も、令和6年度は、塾講師がつまずいている生徒のところへ行き支援するという形態だった。それだと塾講師は後ろに立っている時間が多くなってしまう。そのため、令和7年度は、同じ教室を前後に分けて、前の方では基礎につまずいている児童生徒を教員が見て、教室の後ろでは発展問題を塾講師が指導しています。また、プリントを何段階か用意し、できたらどんどん進めるなど、個別最適な学びになるよう学校に工夫してもらっています」

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