「良いこと悪いこと」やっぱり“真犯人”はコイツだ そして“共犯”はアイツだ 替え歌と22年前の絵の意味とは

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大ヒット作が佳境

 大ヒット作となった日本テレビの考察ドラマ「良いこと悪いこと」(土曜午後9時)の次回は第9回。佳境に入る。本稿は11月22日付で主犯はターボーこと米国アプリ制作会社社長・小山隆弘(森本慎太郎)と推理した。その後、新しい材料が出てきたが、やはり主犯はターボーしか考えられない。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

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 ターボーの言動は物語の序盤から不審だった。

 米国で暮らすターボーが、母校・鷹里小学校の同窓会やひんちゃんこと薬剤師・武田敏生(水川かたまり)の転落死などについて知ったのは、カンタローこと桜井幹太(工藤阿須加)が教えてくれたから。本人はそう明言した。第2回のことである。 

「カンタローから連絡があって」(ターボー)。これを聞いたのはキングこと塗装業の高木将(間宮祥太朗)である。そのとき、カンタローは入院していた。店主を務める居酒屋でボヤが発生し、火傷を負い、意識不明となったからだ。

 第3回、意識の戻ったカンタローはキングに対し、ターボーと小学校卒業から22年ぶりに接触した経緯を明かした。「ひんちゃんが亡くなって、すぐターボーから電話があって」(カンタロー)。

 キングの表情が硬くなった。2人の言っていることが逆だ。「ターボーはカンタローから連絡が来たって…」(キング)。カンタローは答えず、なぜか無言だった。

 ターボーとカンタローがともにウソを吐いているからだろう。ウソを吐くと、話の辻褄が合わなくなりやすい。本当は2人が同窓会前から連絡を取り合っていたと見る。

 同窓会のあと、カンタローが店主の居酒屋で開かれた2次会にひんちゃんは参加した。キングが半年前から通うレトロスナック「イマクニ」での3次会にも来た。メンバーはキングとひんちゃん、カンタローの3人だった。

 その後、ひんちゃんはカンタローと一緒に帰った。一番殺しやすいのはカンタローである。ひんちゃんの住所を知らなくても犯行は可能。後を付ければいい。

 ひんちゃん殺しの実行犯はターボーの指示を受けたカンタローである。事業資金の提供などをエサに釣られたのではないか。足音から判断すると、ひんちゃん殺しの実行犯はカンタローのみ。複数と1人の足音には歴然と差がある。

 カンタローとキングの話に戻りたい。第3回、カンタローはターボーと自分のどちらから連絡したのかの答えを有耶無耶にしたあと、妙なことを口にした。キングとターボーが小学校時代から絶交したままであることに触れ、「何してんだよ、早く仲直りして来いよ」と促した。

 仲直りなら慌てることはない。そもそもターボーは第2回にキングの塗装会社にふらりと訪れ、親しく会話をしている。それでもカンタローはキングに対し、ターボーと会うことを急がせた。おかしい。

 この日はターボーの会社の新規事業発表会があり、本人の頭上に板ガラスが落ちてきた。キングが直前に気づき、間一髪で助けた。全てはターボーの策略だ。共犯者がキングに紙の塊をぶつけ、板ガラス落下に気付かせる細工も施した。

 キングが会場に来ないと、ターボーは助けてもらえず、困ってしまったのだ。下手をすると死んでしまった。だからカンタローに「早く仲直りして来いよ」と言わせた。

 ターボーは保険も掛けていた。どの子こと週刊アポロのスター記者・猿橋園子(新木優子)が、自分の危険を予感するよう仕掛けを施した。実際、どの子は次に危ないのはターボーと読み、キングに連絡している。

 ターボーによる仕掛けとは、仲良しグループ6人の名前の入った替え歌「森のくまさん」である。さらに将来の夢をテーマにした22年前の絵だ。

 仲間は歌に登場する順番通りに殺された。殺され方も絵と関連していた。歌の順番では次がターボー。またターボーは宇宙飛行士の絵を描いており、新規事業には宇宙のVRが絡んでいた。どの子でなくても次のターゲットはターボーと分かる。

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