71歳で「娼婦役」、秋吉久美子が胸元も太もももあらわに挑戦したものは

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「50年以上仕事をしてきて、ここまで“救い”がない役は初めて」

 そう語るのは、俳優の秋吉久美子。71歳にして、“娼婦”を演じるのだという。

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まさかの娼婦役

 この冬、秋吉が舞台「三文オペラ 歌舞伎町の絞首台」(新宿FACE・12月17~21日公演)で演じるのはジェニー役。メンヘラの娼婦だという。かつて愛した男は希代(きたい)の大悪党で女たらし、警察に追われる身だ。

 出演オファーがあった当初はヒロインの母親役かと思い込んでいたという。が、ふたを開けてみると大悪党の元愛人、しかも娼婦。

「えっ、違ったの?」、思わず口にした。仕事を引き受けてから配役の思い違いが発覚するのは、秋吉にとって珍しいことではないそうだ。

「宇宙人」と呼ばれた頃も

 多様な役柄に臨んできた秋吉。往年の彼女を知る世代ならば、娼婦というドキッとする配役にも何ら違和感はないだろう。

 1970年、18歳の時に福島県いわき市から上京してデビュー。

 映画「赤ちょうちん「妹」「バージンブルース」などで、危うさをはらむコケティシュなヒロインを演じ「シラケ世代」の若者から絶大な支持を得た。秋吉と青春を分かち合った年配男子も少なくないはずだ。

「卵で(子どもを)産みたい」などユニークな言動から、「元祖プッツン」、「宇宙人」と揶揄(やゆ)されることもあったが、仕事もプライベートも至ってストイック。学者肌の父と、世話焼きの母の生真面目さを受け継ぎつつも、反抗してきたという。

 しかし母の死後、彼女の遺志に応えるかたちで早稲田大学の大学院に入学し、2年後に修了。50歳を過ぎての挑戦だった。

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