「5本爪の龍」に「黄色の服」 けっこう意外な“皇帝専用”だったもの(古市憲寿)
台北の故宮博物院に行くと、何組もの修学旅行生や中高年のパックツアーとおぼしきグループに遭遇した。存立危機事態どうこうというニュースに関係なく、ミュージアムは各国からの旅行者でにぎわっていた。聞き耳を立てていたわけではないのだが、自然とガイドの説明が耳に入ってくる。その中で面白いと思ったのは龍の爪の話だ。
中国の陶磁器などでおなじみのモチーフである龍。実はいくつ爪を描くかには厳格な決まりがあったのだという。特に重要なのが「5本爪の龍(五爪龍〈ごつめりゅう〉)は皇帝専用」というルール。...

