今年も「流行語大賞」にピンとこない…オーバー50歳の大人世代に聞いた“リアル流行語”に見る「怒りと疲労感」

国内 社会

  • ブックマーク

高市総理の関連ワードが大量発生!

 今年の下半期、国民を大いに沸かせた人といえば、女性初の首相となった高市早苗総理。「サナエ有れば憂いなし」「早苗ミクス」「サナ活」など、ニュースでもさまざまな関連ワードが挙がり高い支持率の裏付けとなっている。

「日本の美しさ、底力、自信を再起させる」(70歳・奈良県・男性)

「保守派の初の女性首相だから」(74歳・山梨県・女性)

「今の活躍がすごい」(73歳・静岡県・女性)

 また、高市総理といえば、ノミネート語にもなっている「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」も話題。これは総裁就任時の決意表明で、あくまでも高市氏自身の気概を示したものと解釈されるが、一部メディアの報道もあって波紋を広げた。

「時代遅れと思いながらも面白く内輪で使った」(59歳・東京都・女性)

「昭和世代だからか懐かしい発言」(64歳・東京都・男性)

「昔はこうだったなぁと思いだした。今までサボっていた議員全員、働けって思った。」(68歳・北海道・女性)

 根性論は昭和の価値観、と認識しつつ、言葉として昭和を懐かしんだという声が聞かれた。

 今年は、自民党の総裁選を大きなきっかけとして、報道への公平性の疑問がSNSで噴出。ネット上には、強い不信感が込められた「マスゴミ」と、ノミネート語の「オールドメディア」があふれた。

「『マスゴミ』は上手い表現。考えた人に1票入れたいですな」(56歳・東京都・男性)

「世間一般で完全に定着したと思う。誰でも使っている」(64歳・東京都・男性)

「高市総理が誕生してからの偏向報道にはうんざり」(65歳・大阪府・男性)

 既存メディアは報道のあり方を根本から見直し、国民の信頼を回復する時期にきているといえるだろう。

若い世代発の新語が大人世代にも浸透

 下半期に爆誕した新語が「タクボる」。静岡県伊東市の田久保真紀元市長の学歴詐称疑惑が由来となって、地元の子どもたちの間で、「嘘をつくこと」や「嘘を認めないこと」の意味で使われるようになって、全国区になった。

「思わず笑ってしまう」(76歳・神奈川県・女性)

「トランプではないけど臆面のなさを表す表現」(69歳・東京都・男性)

「市長の職にしがみつく執念はみていて腹立たしく思える状況だった」(73歳・埼玉県・男性)

 政治家の不祥事が、子どもたちの風刺とユーモアのきいた言葉のセンスで流行語の一端になった。

 昨年の春ごろからSNSで広がった「風呂キャンセル(界隈)」を推す人も。シャワーやお風呂に入るのを面倒に感じ、疲労やストレスから入浴を避ける人を指す言葉で、昨年の新語・流行語大賞にノミネートされている。

「若者に多いのが意外だった」(66歳・兵庫県・男性)

「超清潔社会が確固として存続していたが、一石を投じた」(69歳・新潟県・男性)

 文化的に当たり前だったことへの「疑問」もひとつの背景ともいわれるが、忙しさや疲れでお風呂をパスしたい気持ちは、お疲れ気味の大人世代からも多くの共感が集まっている。

次ページ:政治や生活への不満がダイレクトに流行語に

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。