追い詰められているのは「高市総理」ではなく「習近平」? 対日強硬姿勢は「軍の混乱」「経済悪化」「健康不安」を隠す“虚勢”の可能性も
外交面での異変
さらに、中央軍事委主席としての権勢に衰えが目立つ習氏だが、外交面でもここ数年は異変がある。外遊が減っているのだ。習氏は13年から19年の間に毎年平均約14カ国を訪問し、14年のピーク時には20カ国を記録している。しかし、昨年は10カ国、今年も現在まで6か国に留まる。しかも、今年はロシアを除けば訪問先はアジア域内に限られ、新型コロナ流行期以外では最も行動範囲が限られた年となっているのだ。また、習氏は今年7月、ブラジルで開催されたBRICS首脳会議に欠席し、李強首相を代わりに出席させた。過去には12回出席していたのにもかかわらず、である。さらに、9月9日に開幕した国連総会にも欠席し、やはり李氏が出席した。今年は国連創設80年の節目の年。しかも、国連総会に合わせて開かれた気候サミットにはビデオメッセージを寄せ、自国の新たな温室効果ガス削減目標を発表していたものの姿を現さなかったのだ。
また、「デイリー新潮」で既報のように、習氏が今年8月、チベット自治区の区都ラサを訪問した際、顔が黒ずんでむくんでおり、歩き方もぎこちなかったとの目撃談も出ている。さらに、今年5月にも毎月1回開催されるはずの党政治局会議が行われなかったことから、習氏の健康が悪化したとの見方も出ていた。
習氏は12年11月、党総書記に就任して以来、今年11月で満13年となる。総書記と国家主席、中央軍事委員会主席という重責を担い極めて多忙であることは想像に難くない。すでに、72歳という年齢である。これまでの総書記は通常2期10年の任期だったが、習氏は憲法を改正して国家主席の任期を撤廃したため、かつての毛沢東主席と同じく終身最高指導者も制度的には可能だ。しかし肉体的には衰えが出ているのは確かである。今回のような外交上の重要な事態への対応の判断に影響が出ても不思議はないのではないか。
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