「ばけばけ」視聴率上昇の理由は「コント仕立て」と「ボケ合戦」? 脚本家は吉本「NSC」出身
低空飛行を続けていた朝ドラ「ばけばけ」(NHK)が上昇気流に乗った。9月29日にスタートして以来、初回の視聴率16・0%を超えることができずにいたが、11月14日は16・1%、18日は16・2%、さらに21日は16・3%を記録したのだ(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)。そこで改めて脚本のふじきみつ彦氏(50)の経歴が注目されている。
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言うまでもないが「ばけばけ」は「耳なし芳一」や「雪女」などで知られる『怪談』の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツの生涯がモデルとなっている。
ちなみに14日が含まれる第7週「オトキサン、ジョチュウ、OK?」では、ヒロインのトキ(高石あかり)がヘブン(トミー・バストウ)の女中として採用されるまでが描かれた。週が明けた17日、早速始まったのが“ビア騒動”だった。民放プロデューサーは言う。
「松江中学の英語教師となったヘブンは、昼食を食べるために帰宅。食事を終えて学校へ戻ろうとする時、トキに告げたのが『beerを買っておいて欲しい』でした。ところがトキには“beer”がわからない。以前にヘブンが宿泊していた花田旅館で聞いても、楽器の“琵琶”? 果物の“枇杷”? いや“稗”かも?と助言。路地の果物売りに尋ねると、枇杷は季節ではないから“蜜柑”じゃないか? 大混乱のトキは、beerに似ているものをかき集めてヘブンの帰宅を待ったのですが……」
ビワー(琵琶) 「NO!」
ヒエ―(稗) 「NO!」
カマー(鎌) 「NO!」
コマー(独楽) 「NO!」
ゴマー(胡麻) 「NO!」
ボケ合戦にドリフコント
「ことごとく否定されたトキは、『ちょっと待ってください』と言って連れてきたのが幼なじみの“サワ”だったというモノボケ合戦で、往年の『イロモネア(ウンナン極限ネタバトル!ザ・イロモネア 笑わせたら100万円)』(TBS)を思い出しました。それが話題となって、翌18日に最高視聴率を更新したのでしょう。ちなみにbeerは薬局にあることがわかってようやく入手。喜ぶヘブンの前で栓を抜いた途端、顔面にbeerが発射というドリフ並みのコントでした。その後、無事に乾杯できたヘブンは上機嫌となってスキップ。翌日は吉沢亮がスキップに挑戦して醜態をさらすというマンガのような展開でした」
確かに朝ドラでボケ合戦やコントとは珍しい。
「脚本のふじきみつ彦氏は大学時代にNSC(吉本総合芸能学院)に入学したそうです。その後、広告代理店での勤務を経てコントや小劇場の世界に入り、30歳の時から6年間、脚本家の別役実氏に師事してコントの指南を受けたという異色の経歴の持ち主です」
過去の作品で知られているのは「バイプレイヤーズ」(テレビ東京)や「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(NHK)くらいだろうか。
「名の知れたところでは『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)の単話があるくらいですかね。NHKのインタビューでも経験が少ないことを語っています」
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