オモテで「高市内閣を生んだ以上は育てねばいかん」、ウラで「なんでわかんねえんだ」 麻生太郎のクールな視線
自身が主流派に返り咲くため
「麻生氏は確かに党員票の重視を掲げていましたが、それを突き詰めると、自身が主流派に返り咲くためにどうしたら良いか、いち早く主流派に戻りたいということでした。小泉氏優勢と見る関係者ばかりで、そう見ていない人は“取材できていない人”と言われていた中で高市氏に“フルベット”する判断は大したものだと言われています。小林、茂木両陣営は決選投票で高市氏支持に回りましたが、茂木氏自身と一部の陣営議員が決選投票で本当に高市氏に投票したかどうかは不明とされています」（同）
表向き茂木陣営としては高市支持に回りながら、茂木氏は「小泉総裁」誕生の確率が高いと見て高市氏に投票しなかった可能性が取りざたされているーーということのようだ。その後に茂木氏が有力ポストに就いたことも含め、なかなかややこしく永田町らしいミステリーなのかもしれない。
まったく見えていなかった
「総裁当選直後に始まった公明党の自公連立離脱騒動を受けて、麻生氏は“高市はまったく見えていなかった”とこぼしていました。高市氏が公明とその支持母体・創価学会の考え方や動きを察知できていなかったという意味です。“アンチ公明・学会”で知らない者がいない麻生氏は公明の連立離脱を“ウェルカム”としているわけですが、高市氏に対する言葉はなかなかキツい陰口で、“公明がいなくなることぐらいわかるだろ、なんでわかんないんだ？”くらいにも聞こえますね」（同）
今回の「生みの親」発言は、一見、改めて「高市支持」を公言した格好だ。しかし、先ほどの陰口を参考にすると、高支持率を誇る高市内閣がこけ始めれば新たな主流派探しも視野に入れる――そんな思惑も見えてくる。生き馬の目を抜く永田町ならではと言えばそれまでだが、なかなか残酷な印象を与えるエピソードでもある。
依然、高市氏の支持率は高いものの、日中関係悪化というリスク要因も生じている。経緯を見ればわかる通り、政策や人柄で「親」となったわけではないだけに、麻生氏の本音に注目が集まり続けることとなるだろう。
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