「瀬尾まいこ、重松清、その次は?」「論説文の必読本はこれ」中学受験の国語によく出る作家・作品ランキング プロ161人への独自調査でわかった驚くべき実態とは
国語は「親が関わりやすい科目」
――問題を解くだけでなく、本を多く読んでおく意味はどこにあるのでしょうか。
昨今は問題の長文化が進んでいて、特に上位校になればなるほど、長い文章への慣れや読み切る忍耐力が必要になるといえます。また、国語に限らず算数や社会でも問題文の分量が多くなっているため、多読によってベースとなる力を養っておくことは、他の科目にも活きてくるといえるでしょう。問題演習と読書で、だいたい8:2くらいの割合をイメージして対策するとよいのではないでしょうか。
また、出題されやすい作品を読んでおくことで、「安心感」につながることも大きいです。知っている作家名が問題に出ているだけでも、文章自体を読んだことがなくても心理的な余裕が生まれます。入試対策において、この安心感は軽視できません。実際に読んだことのある作品がそのまま出たら、なおさらですよね。
国語は唯一、親が関わりやすい科目でもあります。一緒に本を読んで感想を述べ合うことで、親子関係が深まるというメリットもあると思います。
――実際に対策した本が出題される可能性はあるのですか。
十分にあります。入試問題で扱われる文章には制限がある。たとえば小説文なら、スポーツや学校生活といったテーマに限られてくることを考えると、範囲は意外に狭い。そのため、読んでおいた本がそのまま出題される可能性は決して低くはないのです。
小説文の「よく出る作家」ランキング
――このたび西田さんには、78の塾の関係者、計161人に独自取材を行っていただきました。まずは「直近3年間の小説文の頻出作家」について教えていただけますか。
複数回答可の形式で、161人のプロに「直近3年間の頻出作家を教えてください」と尋ねたところ、小説文については、1位は瀬尾まいこさん(120人が投票)、2位は重松清さん(118人が投票)という結果になりました。どちらも100人を超える圧倒的な支持を得ています。
瀬尾さんは元学校教師という経歴もあり、友情や悩みといった中学受験の必須キーワードを分かりやすく描いている点が、出題されやすい要因といえます。子どもの心理状態の描写が非常にリアルで、受験生が共感しやすい文章だからこそ出題されやすいのでしょう。
重松清さんは「ミスター中学入試」と呼ばれるほど頻出の作家です。短編集という形式が多いのが特徴で、短編だからこそ入試問題として切り取りやすいという学校側の事情もあるようです。
3位は青山美智子さんで90人。人と人の繋がりや家族、友情をテーマにした作品が多く、内容があたたかく優しいものが多いため学校側も安心して出題できます。暴力や露骨な表現がないことも、中学受験の出題には重要な要素なんですね。
〈4位以下のランキング、また具体的な「作品」のランキングについては、YouTubeチャンネル「イノベーション読書」の【小説文編:「中学受験の国語」頻出作品はこれだ 78の塾、161人の講師に聞いた「次に出る小説文」と「効果的な対策方法」|ゲスト 西田浩史(教育ジャーナリスト・追手門学院大学客員教授)】の動画で詳述している〉
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