「少女を模したラブ・ドールを違法販売」 大炎上の「SHEIN」パリ出店、32歳社長が語った思い 「多くの批判があるのは事実ですが…」
若者は「安くて最高」
フランスの有名ブランド「agnes b.(アニエスベー)」や「A.P.C.(アーペーセー)」がBHVからの撤退を表明するなど、大いに物議を醸しているSHEINはまだ誕生から20年に満たない新興ブランドだ。しかし、2024年には世界のアパレル市場でナイキ、アディダスに次ぐシェア3位に。ちなみにユニクロは6位である。日本での知名度は米国のネット通販大手アマゾンほど高くはないものの、若者の間ではすでに広く浸透しており、オンラインユーザー数は800万人を超えた。
そんな日本にも東京・原宿に常設店舗「SHEIN TOKYO」がある。ショールーム的な位置付けで商品の販売は行わないにもかかわらず、3年前のオープン時には100人を超える客が詰めかけたという。
店を訪れていた若者たちに聞くと、
「利用し始めたのは2年前かな。今も、月に1回くらい使っています。主に買うのはアクセサリー。シンプルなイヤリングなら、10セットで500円くらいのものがある。安くて最高」(都内在住10代女性)
「SHEINで服、アクセサリー、雑貨、化粧品を買っています。他の通販サイトに比べてもやっぱり安いですよね。最近買ったお気に入りの商品はピンクのスリッパで627円だった。SHEINが広まったのは自分が10代後半のころ。服が異常に安くて、Tシャツが300円とかで売っていて、まわりでは“革命”だと話題になっていた」(名古屋市在住20代女性)
Z世代に刺さる理由
ファッションジャーナリストの宮田理江氏が言う。
「いわゆるファストファッションの中でもSHEINの商品は特に価格が安いので、少ない出費で衣服を買い求めたい若年層には魅力的に映ります。また、膨大な商品が用意されていて選択肢が多いのも、選ばれる理由でしょう」
配送料の安さもメリットだという。
「SHEINの配送料は一律500円ですが、2000円以上の購入で無料になります。さらに定期的にプロモーションを仕掛けており、買い物に誘うマーケティングの仕組みも巧みです。割引クーポンを提供していて、お得感がある。スマートフォンを通じたプロモーションもZ世代に刺さっている。トレンドをつかんだタイムリーな商品投入にも定評があります」(同)
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