コメ最高値で「5キロ5000円」に嘆きの声も…倉庫に“大量の新米”がダブつく業者の懸念はコメ価格“大暴落のXデイ”

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ヤマ場は年末か来年3月

 コメの価格高騰によりパスタ、うどん、ラーメン、日本そばの売上げが急速に伸びている。製麺所の倒産が減ったことも明らかになり、注目を集めた。

「つまり、今年の新米を中心に国産の銘柄米は、卸業者にとって“不良在庫”と化しているわけです。卸業者は大量のコメを抱えるしかなく、消費者が買わないので売り先がありません。結果として経営が圧迫されています。資金繰りの悪化に耐えきれず、卸業者が“不良在庫”を安値で放出した瞬間、コメ価格の暴落が始まるというわけです」(同・記者)

 コメ暴落の可能性をリアルに伝えたのが、米どころ・新潟県の地方紙である新潟日報だ。同紙の電子版は11月14日、「『投げ売りも出てくるのでは』新米在庫だぶつき、JAや集荷業者から懸念の声…米価下落の見通し強まる」との記事を配信した。

「記事によると、コメの集荷業者の中には秋に勃発したコメ争奪戦に参戦するため、短期の融資を受けて過去最高額の価格でコメを集めたところもあったそうです。ところがコメは全く売れず、倉庫に新米が積み上がっています。そして短期融資の返済期限は年末が一般的なので、融資金を返すため損を覚悟の上で新米を年末から“投げ売り”する集荷業者が現れるのではないか、と新潟日報は報じました」(同・記者)

暴落を歓迎する消費者

 年末年始だけでなく、来年3月のパターンも取り沙汰されている。3月は年度末で決算を迎える業者が多いためコメの投げ売りが始まる──という予測だ。

 XなどのSNSではコメの暴落を歓迎する投稿は相当な数に達する。消費者の多くはコメ価格の下落と高騰に振り回される農家に強く同情しているとはいえ、5キロ5000円では背に腹はかえられないというわけだ。

 第2回【コメ価格が最高値を更新でも…鈴木農水相「価格はマーケットが決める」に疑問の声 「小泉進次郎コメ担当大臣のほうがマシ」だったのか】では、鈴木農水相が「コメ価格をマーケットに任せた」ことで暴落が発生するという皮肉についてお伝えする──。

註:(揺れるコメ改革)米価、見えぬ安定 高値で仕入れ、暴落を警戒(朝日新聞朝刊:11月4日)

デイリー新潮編集部

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