「枝野さんは野田さんから主導権を奪うつもりでは」との見方も… 立憲民主党内で紛糾する“路線変更”の道のり

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 党勢低迷が続く立憲民主党で、党創設者の枝野幸男元代表の存在感が顕著だ。

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野田氏への援護射撃

「先月末、枝野氏は安全保障関連法に関して“違憲の部分はない。だから変えなくていい”との見解を披露しました。結党以来、問題視してきた集団的自衛権の行使を容認するものと受け止められ、所属議員や支持者たちには驚きと困惑が広がりました。それをよそに、本人は“国会の花形”とされる衆議院予算委員会の委員長職に喜々として取り組んでいますが」

 とは政治部デスク。立民は安保法について、長らく“違憲部分の廃止”を声高に主張してきた。

「この発言があった10日前、野田佳彦代表は国民民主党と日本維新の会との三党党首会談で“違憲部分はこれまで見つかっていない”としていました。これを枝野氏が知らないはずはありません」(同)

 枝野氏の発言は、野田氏に呼応したものなのか。振り返れば、先の首相指名選挙を前に国民民主の玉木雄一郎代表は野党候補の一本化を模索した。その際、立民は安保法の“違憲部分の廃止”という主張の撤回を求められていた。

「枝野発言は、今後の国会審議を見据えて、代表就任に際して“政権交代を実現するために党の方針を中道路線に修正する”と掲げた野田氏への援護射撃とも受け取られたのです」(同)

 言うまでもなく、立民が国民民主や公明党と手を組むには基本政策での一致が必要だ。この点について立民関係者が解説する。

「安保法の扱いが野党結集を妨げるネックでしたが、党内では枝野さんが顧問を務めるリベラル系グループ『サンクチュアリ』の発言力が強い。枝野さんは“自分が発言すればリベラル勢力への抑えが利く”と考えたフシがあります」

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