「枝野さんは野田さんから主導権を奪うつもりでは」との見方も… 立憲民主党内で紛糾する“路線変更”の道のり

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「野田さんは決断できなかった」

 ところが野田氏は、今月7日の会見で安保法に対する方針に触れ、“いろいろな意見があるが、いま変更するということではない”と明言。さらに“現時点で執行部が路線を変えることはない”とトーンダウンした。

「結局、野田さんは決断できなかったんです。もっとも、二人は昨秋の党代表選で争った間柄。野田さんは自身の発言を容認した格好の枝野さんの真意を測りかねたか、あるいは信じ切れなかったのかもしれません。党内には“枝野さんはけん制球で党内を揺さぶって野田さんから主導権を奪うつもりでは”との見方も少なからずくすぶっていますから」(前出の立民関係者)

 財政規律論者として知られる枝野氏は、今夏の参院選前、党内で消費税率引き下げを訴える議員らを「減税ポピュリズム」と厳しく批判し、離党まで求めた。

 その枝野氏は、今月7日に衆院予算委員長としてデビューするや、委員長が閣僚や議員を「君」付けで呼ぶ慣例にとらわれず「さん」に変更した。理由を“いまどき目上、年上の方に君なんて呼ばない”としている。

「枝野氏の口癖は“政治は時間の関数”。政治に求められる答えは時とともに変化するという意味だとか」(政治部野党キャップ)

 君子豹変か深謀遠慮か。立民党内のやきもきは続く。

週刊新潮 2025年11月20日号掲載

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