物価高対策で「おこめ券」に囁かれるデメリット…「額面1万円でも実際は8800円」、「不在通知で郵便局は混乱」、「年内配付は無理か」 やっぱり“現金給付が便利”は正論か

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 テレビ朝日をキー局とするニュースネットワーク「ANN」は11月15日と16日に世論調査を行い、その結果を17日に発表した。質問項目には高市内閣の経済対策に期待するか尋ねたものもあり、「とても期待している」に「ある程度期待している」を加えた回答は55%に達した。経済対策の詳細はマスコミ各社の報道で徐々に明らかになりつつあるが、中でも消費者の注目を集めているのが「おこめ券」の配付だ。

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 担当記者は「おこめ券をどれくらいの金額で、どうやって配るかは、まだ正式には発表されていません。ただし国が消費者に直接、おこめ券を配ることはないでしょう」と言う。

「地方自治体が自由に使える『重点支援地方交付金』を国が拡充する方針のようです。ここで重要なのは使い道が自治体に任されるということです。交付金を原資におこめ券を配るという自治体もあるでしょうが、地元の商店街で使える『プレミアム付き商品券』を配る自治体も考えられます。ただし、すでに独自の施策としておこめ券を住民に配っている自治体があります。貴重な前例として参考になるので、相当数の自治体がおこめ券の配付を選ぶかもしれません。また一部のメディアは『おこめ券の配付額は1世帯あたり1万円になる見通し』と報じました」

 おこめ券は主に2種類あり、1つは全国米穀販売事業共済協同組合が発行する「全国共通おこめ券」、もう1つはJAグループの全国農業協同組合連合会が発行する「おこめギフト券」だ。

 今、コメの価格は高騰している。農林水産省は11月14日、スーパーのコメ販売価格が3日から9日の週で全国平均5キロ4316円に達し、過去最高を更新したと発表した。

額面500円でも440円

 鈴木憲和農水相は11日の大臣会見で記者の質問に、おこめ券の配布はコメ価格の高騰にはスピーディーな対策だとの認識を示し、配付に強い意欲を見せた。

 JAも、おこめ券配付が実現すれば全面的にバックアップする姿勢を見せている。JAグループのトップであるJA全中の山野徹会長は10月30日に鈴木農水相と会談。配付をJAグループとして支持する考えを表明したのだ。

 物価高に消費者は苦しんでいる。1万円のおこめ券配付は、まさに“干天の慈雨”だと大歓迎されているはずだ──こんな先入観を抱いてXを見ると、意外にもおこめ券が不評であることに驚かされる。

《大型減税がなんでおこめ券》、《私はおこめ券より日本銀行券の方がずっと嬉しいです》、《おこめ券を求めている人がどれだけいるの?》、《米が売れなくて困っている流通業者や、中抜きで儲かる人たちの利益につながるのでは?》──。

「確かにおこめ券の配付にデメリットは少なくありません。まず、券の額面よりも実際に購入できる金額は安いということです。『プレミアム付き商品券』が人気なのは、『1万円で券を買うと1万2000円分の買い物ができる』というように“上乗せ分”があるからです。ところが、おこめ券は1枚500円ですが、印刷費や流通経費などで60円が引かれ、実際に使えるのは440円なのです」(同・記者)

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