物価高対策で「おこめ券」に囁かれるデメリット…「額面1万円でも実際は8800円」、「不在通知で郵便局は混乱」、「年内配付は無理か」 やっぱり“現金給付が便利”は正論か

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やっぱり現金のほうが便利?

 プレミアム付き商品券は消費者が券を購入する必要があるが、おこめ券の場合は消費者がお金を出す必要はない。

「その代わり、1万円のおこめ券を配ってもらったとしても、実際に使えるのは8800円に過ぎません。しかも現時点では1回配ったら終わりの可能性が取り沙汰されています。毎月、8800円のおこめ券を配ってくれるのなら、確かに物価高対策になるでしょう。しかし1回限りとなると、8800円では都内ならコメ10キロも買えないとの指摘もあります。これでは“焼け石に水”と批判されても仕方ないのではないでしょうか」(同・記者)

 ネット上では「現金給付なら、たとえ自治体に振込手数料を引かれたとしても、おこめ券よりは手元に残る額が多い」という興味深い指摘も投稿されている。

「確かに私たちがATMで振り込みを操作すると、表示される手数料は275円などでしょう。もし1万円の現金給付が実現し、仮に振込手数料が差し引かれたとしても、届く金額は9725円という計算になります。おこめ券は金券ですから、使う小売店によってはお米以外の商品を購入することも可能です。とはいえ、1万円のおこめ券は8800円の価値しかありませんから、『これでは引かれすぎる』と不満を持つ消費者が続出しても不思議はないでしょう」

年内の配付は不可能

 まだまだデメリットはある。おこめ券は金券なので、一般的には書留か簡易書留、ゆうパックなどで送る。

「どの方法で送られてきたとしても、基本的には受取人が自宅にいる必要があります。日本の世帯数は約5400万世帯だと推定されています。おこめ券の入った5400万通の郵便物が発送されるわけですが、日中は不在という世帯も相当な数に達すると考えられます。再配達や郵便局での受け取り依頼などが殺到し、郵便業務がパンクする可能性もあるのではないでしょうか。また金券ショップでの売却や、ネットフリマへの出品も多いでしょう。おこめ券の配布を悪用した詐欺も横行するかもしれません。おこめ券の配布による社会的混乱が危惧されます」(同・記者)

 以下の点は「おこめ券だけのデメリット」ではないが、配付が実現するまでの道のりは遠い。何しろ年内の配付は不可能だと早くも分かっているのだ。

「経済対策の予算が成立するのが12月なので、年内におこめ券を配付することはまず無理です。その後の動きは予測が難しいですが、これまでにおこめ券を配布した自治体の前例を参考に考えると、3月末、つまり今年度中の配付すら難しいと見られています。野党の国会議員からは『来年の4月以降だろう』という見通しも出ているほどです。鈴木農水相は、おこめ券の配布はコメ価格の高騰に対するスピーディーな対策だと胸を張りましたが、来年の春となると同意してくれる消費者は少ないかもしれません」(同・記者)

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