「1日で1カ月分の注文が…」 高市首相愛用バッグがバカ売れ… 無党派層まで「保守化」する「高市フィーバー」の理由

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「どこまで現実路線を維持できるのか」

 だが実際、政権の先行きは不安視されてもいる。

 政治ジャーナリストの青山和弘氏の話。

「高市首相は、安倍政権で首相秘書官を務めた今井尚哉(たかや)内閣官房参与(67)に内政・外交を問わずさまざまな相談をしているようです。今井氏は外交面では現実主義者。特に近隣の中国や韓国とはうまくやらなければならないと考えている。今井氏が仕えた安倍元首相は政権後半には中韓との関係改善に動いたものの、一部の保守層から反発を招き、その対応に苦慮しました。高市首相も、果たしてどこまで現実路線を維持できるのか」

 明海大学教授の小谷哲男氏も言う。

「高市首相は安倍元首相のレガシーを活用し、トランプ大統領との最初の顔合わせを成功させたのは良かった。しかし最近、トランプ氏は米中関係を『G2』と評するようになっています。G2が意味するのは“米中二大国が世界の秩序を管理する”という世界観です。これは12年ほど前に中国が提唱した考え方に近いものです」

 米国側は安倍政権が打ち出し、高市首相も継承した「自由で開かれたインド太平洋」構想にはほぼ無関心かもしれないと言い、であればこそ、と続ける。

「もはや“安倍外交”を引き継ぐだけでは不十分です。日本に今求められているのは経済面だけでなく、安全保障面でも米国がアジアに関与することの重要性をトランプ大統領に強く訴えていくことなのです」(同)

 高支持率という追い風を受けて荒波へとこぎ出した高市政権。かじ取りを誤れば、その風は一気に逆風へと変わりかねないのだが……。

 前編【トランプ会談は「ホームラン」、支持率は驚異の80%… 「高市現象」の正体とは】では、高市外交の現時点での評価と、不安視される今後について報じている。

週刊新潮 2025年11月13日号掲載

特集「内閣支持率は驚異の80% 高市現象の正体」より

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