ド軍は「サイ・ヤング賞左腕」獲得に動くか? ポストシーズンに“覚醒”した「佐々木朗希」の評価が最大のポイントに
佐々木を出して先発を補強?
そのスーパー左腕の保有権を持つタイガースは来季以降の契約延長を申し出ているが、「Sports Illustrated」と米紙「New York Post」によれば、「昨年オフの時点で1億7000万ドル(約256億円)規模の大型契約が提示された。高騰の一途を辿る先発投手の契約状況を理由に、スクバル側はこのオファーを固辞。双方には約2億5000万ドル(約376億円)の差が生じている」と伝えていた。
そこでタイガースの選択肢として浮上してきたのが、スクバルのトレード放出案。このまま交渉がまとまらず、来年オフにFAで退団されたら、球団には何も残らない。ならば、交換トレードを進め、まだ低年俸のトッププロスペクト数人を見返りにもらうというものだ。スクバルの希望金額を払える球団は、限られている。「Sports Illustrated」は、
「ドジャースにはトッププロスペクト100人のリストに入っている選手が7人もいる。比較的に安価で手に入れた将来有望なスターもいる。ロウキ・ササキだ。豊富な投手陣を抱えるチームをさらに強化したいと考えるなら、ドジャースにとっても悪い話ではない。タイガースも昨年オフ、ポスティングシステムでロウキが海を渡ってきたとき、獲得を狙っていた。交渉材料は揃っている」
と伝えていた。資金力のある球団は他にもあるが、タイガースのトレード案に応えられるのはドジャースとの見方だ。
もっとも、佐々木は今回のポストシーズンマッチでその評価を上げている。計9試合10回3分の1を投げ、無失点は上出来と言っていい。走者を背負い、後続のリリーバーに助けてもらった試合もあったが、リリーバーとしての適性は間違いなくもっているようだ。
「その活躍がドジャース首脳陣を迷わせているようです。今回はブルペン陣を強化するための臨時措置でしたが、このまま来季もリリーフを続けさせたほうが良いという意見と、先発で育てていくべきとの両方が聞かれました。ブルペン陣の強化は今オフの重要課題ですが、佐々木をリリーフに固定させるとなれば、補強ポイントは変わってきます」(米国人ライター)
また、今オフの米FA市場ランキングを見ると、全体の1位は「ドジャースの本命」とも称されるカブスの強打の外野手、カイル・タッカー(28)だが、投手ではパドレスのマイケル・キング(30)、アストロズのフランバー・バルデス(31)、ディラン・シーズ(29)など先発タイプが多い。先発投手は需要も高いが、ドジャースの補強ポイントはリリーフだ。ランク14位のメッツのエドウィン・ディアス(31)、同17位のロベルト・スアレス(34=パドレス)といった、実力十分のクローザーが獲得できるのであれば、スクバルとの交換トレードも一気に進められるだろう。
山本、ブイク・スネル(32)、タイラー・グラスノー(32)、大谷で構成されている先発ローテーションにスクバルが加われば、メジャーリーグ最強の先発陣となる。
佐々木を放出して最強の先発陣を編成するか、それとも、佐々木の伸びしろを信じるのか。ドジャースがどんな決断を下すのかも見物だ。
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