「金ないなら日雇いで働いて」に逆上して24歳元地下アイドルを殺害 裁判で「2500万円貢いだパパ活」を「真剣交際」と語った元富士ゼロックス社員57歳

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「彼女、フィアンセという期待を捨てきれなかった」

 だが、殺害時のAさんの反応や犯行後の行動について聞かれると、「覚えていない」を連発。検察官の反対尋問になると、輪をかけて「覚えていない」「わからない」を繰り返した。

 一方で、「Aさんとの関係は真剣交際だったのか」と聞かれると「はい」と答えた。真剣交際の意味は?」の問いには「結婚を前提とするもの」。「お金だけの関係と分かっていたのではないか」と詰められると、「半分は分かっていたが、彼女、フィアンセという期待を捨てきれなかった」と語った。

 Aさんの父親は、意見陳述で「覚えていない」を連発した石川被告に対し、「ウソをついている」「反省していない」と厳しく非難した。

 父親によると、Aさんは1歳半で母親を亡くし、以降、男手一つで育てられた。好きだったダンスの専門学校に進学し、アイドルグループにいたこともあったが、グループの人間関係が原因で1年足らずで辞め、家事手伝いをしていたという。20歳を過ぎて、資金を援助して一人暮らしをさせたが、自傷行為や夜遊びに大金を使っていたことが露見し、実家に連れ戻した。市の障害福祉課に相談し、病院でうつ病とADHDと診断されていたという。

 父親はこう訴えた。

「被告はお金で娘を誘惑した。娘は脅し取ったわけではない。発達障害の影響で被告の危険さに気づけず、羽振りの良さに騙されてしまった」

「パパ活は社会倫理上認められるものではないと思う。しかし、死をもって反省すべきことなのか。家族は一生苦しみ、二度と幸せにならない」

 そして、生きている間に社会復帰できないよう懲役30年に処するよう求めた。

 検察は論告で「強固な殺意による残忍な犯行」とし、「Aさんへの未練を断ち切れず独占欲から身勝手な犯行に及んだ」と指摘。「自身のプライドから真実を話していない部分もあり、被告の供述は信用できない」とした上で、懲役18年を求刑した。

 石川被告は最後に証言台に立ち、父親に対して頭を下げながらこう詫びた。

「自殺も考えさせてしまい、誠に申し訳ありませんでした。年月が過ぎても亡くなったと信じられない世界に送ってしまい、誠に申し訳ありませんでした。明るい未来を奪ってしまい、誠に申し訳ありませんでした。Aさんの命を奪ってしまい、誠に申し訳ありませんでした。謝罪の気持ちをずっと持ちながら生きていきたいと思います。ずっと会社にいればよかった。援交に手を出さなければ殺意なんて生まれなかったと思います」

 11月7日、裁判長は「犯行態様は強固な殺意に基づく残忍なもの」「24歳という若年で突如として未来が奪われた被害者の無念は計り知れず、結果は重大」と述べ、石川被告に懲役16年の判決を言い渡した。

 前編【24歳元地下アイドルを殺害した被告に懲役16年 半年間のパパ活に「退職金全額6000万円」を注ぎ込んだ「富士ゼロックス」元社員57歳の常軌を逸したリタイア生活】では、判決を言い渡された時の石川被告の様子や、Aさん以外のパパ活嬢にも入れ込みながら「退職金6000万円」を僅か半年で遣い果たした石川被告の異常な暮らしぶりについて伝えている。

デイリー新潮編集部

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