24歳元地下アイドルを殺害した被告に懲役16年 半年間のパパ活に「退職金全額6000万円」を注ぎ込んだ「富士ゼロックス」元社員57歳の常軌を逸したリタイア生活
わずか半年で6000万円の預金が底をつく
検察側の証拠調べでは、石川被告が凄まじい勢いでパパ活に浪費していた実態が明かされた。
22年3月末の時点で5852万円あった預金額は、8月16日の時点で4211万円まで減額。Aさんと知り合った8月17日からはさらに勢いが加速し、8月末には2425万円にまで激減し、9月末には1882円とほぼ底を尽きた。半年で約6000万円を費消するという異常なペースである。
それからは趣味のフィギュアなどオタクコレクションの売却で凌ぐようになる。だが、売却益は預金同様すぐに底をついた。10月は199万円分売却し、末日に残金が10万円。11月は282万円分売却し、末日に残金4万6000円といった具合だ。事件前日の2月1日にも15万2000円分売却し、3日に逮捕された時点で残金は1449円だった。
このほかクレジットカードや消費者金融に744万6000円の借金があった。
「今日1100おろせたりする?」
石川被告は預金やフィギュアなどの売却で得た金、消費者金融などで得た金のうち、2000万~3000万円くらいをAさんとの交遊に費やしたとみられる。1回の逢瀬の援交代は6万円から10万円。知り合って1カ月後の9月中旬には1週間、ディズニーランドに泊まりがけの旅行をして100万円以上を散財した。
最も金がかかったのはAさんへの貸付だ。「勤務先のコンセプトカフェの修繕費に必要」などの理由でAさんから度々金銭を要求され、最も多い時で1000万円を預金から引き出して渡したこともあった。クレジットカードの家族カードも渡した。
検察側からは、Aさんとの間であった生々しいやり取りが入ったメッセージも明かされた。
8月17日、Aさんと出会った初日に、石川被告からAさんに対し「最後まで5万」などと援交の条件を送っていた。8月29日にはAさんから「141万5000円借りれない?」「あと130貸してほしい」と無心の連絡が入るように。9月に入ると「今日1100おろせたりする?」と桁が増している。続きのやり取りでAさんは「本気でアキくん(石川被告のこと)好き」と送り、石川被告は「君がナンバーワン」と返していた。なお、11月に石川被告が1300万円と80万円の借用書を作り、Aさんが名乗っていた「タカオカサクラ」名義で署名させていたこともわかっている。
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