驚異の支持率82%「高市ブーム」に石破前首相が本音 「国民にウケることだけが、必ずしも国のためになるとは限らないのでね…」

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 各国首脳と対面する「外交ウィーク」を乗り切り、内閣支持率は80%に達した高市早苗首相(64)。愛用品が大人気となり、SNSには賛辞が溢れる。「高市現象」とも呼ぶべき、この熱狂の正体とは……。

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上々の滑り出し

 高市首相の外交ウィークは就任からわずか5日後、マレーシアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に始まった。以降、トランプ米大統領(79)を日本に迎え、韓国で日韓、日中首脳会談に臨み、さらにはアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議まで怒濤の日程をこなした。

 明海大学教授の小谷哲男氏はこう評価する。

「10月28日の日米首脳会談で高市首相はトランプ大統領に防衛費増額の方針を伝えながら、親密な雰囲気を醸し出すことに成功しました。米原子力空母にも大統領と共に乗艦し、日米同盟の結束を示しています。外交デビューとしては、上々の滑り出しといえるでしょう」

 もっとも、首相が空母上で米兵の歓声に応えて拳を突き上げながら飛び跳ねた上、トランプ氏に抱き寄せられる場面まであったことには異論も出た。日中首脳会談においても、目立った成果があったとは言い難い。

「外交成果を冷静に検証する空気ではないことに助けられている」

 しかし、そうした指摘はあまり聞こえてこない。そこが現下の高市政権の際立ったところだというのだ。

「各社の世論調査で政権支持率が軒並み高い。首相は“ご祝儀相場や”と平静を装うものの、もはや『高市ブーム』というべき様相で、正直、外交成果を冷静に検証する空気ではないことに助けられています」(政府関係者)

 支持率は、TBSの調査で驚異の82%を記録。2001年以降の歴代政権発足直後の数字としては、小泉内閣の88%に次いで2番目に高く、石破内閣の52%を大きく引き離している。

 政治部記者の話。

「SNSでは高市首相を応援する活動について、いわゆる『推し活』をもじって『サナ活』と呼ぶ動きも出ています。首相が愛用するボールペンやカバンの銘柄が割り出されて注文が殺到し、その現象がまたニュースで話題になるという異例の情況なのです」

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