「高市首相モノマネ」で炎上したキンタロー。と称賛された清水ミチコ 二人の“決定的な違い”とは
10月24日、SNSに高市早苗首相の顔マネ画像を投稿した芸人・キンタロー。(44)。「仕事が早い」という称賛の声が上がる一方、「バカにし過ぎ」という批判も招いた。一方、清水ミチコ(65)も高市首相のモノマネを披露してきたが、こちらは炎上する気配はない。両者の違いは一体どこにあるのか。【冨士海ネコ/ライター】
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お笑い芸人のキンタロー。さんが、高市早苗首相の顔マネをSNSに投稿し物議を醸している。個人的には「いつものキンタロー。さんだな。仕事が早いな」くらいに思っていたが、なかなかに批判も多いという。
高市首相といえば、モノマネ先駆者は清水ミチコさんの方が思い浮かぶ。首相就任前からモノマネレパートリーに入れていた先見の明は「さすがはみっちゃん」というよりない。今年の1月にもライブで披露していたが、会場は大ウケ。批判どころか「似過ぎ」「さすが!」と称賛が集まる。この差は一体どこからきたのだろうか。単なる「モノマネの出来」ではなく、両者の芸に宿る「視点」と「観察眼」、そして時代の空気との相性にヒントがありそうだ。
モノマネという芸は、ただ完璧に似せるだけの模倣ではないと思う。そこには、時に「弱者が強者をイジる」風刺的な構図があり、観察眼の鋭さが問われる。例えば清水さんの芸は、そのややもするとイジワルな「人間観察の細かさ」で知られる。彼女は高市首相の関西弁やしゃべり方、気の強そうな眉のカーブ具合といった特徴を丁寧に拾い上げ、「本人のエッセンス」を的確にすくい取っている。それは単なる顔マネではなく、「ああ、確かにこういう感じの顔する時ある!」と思わせる納得のリアリティーがあるのだ。
そのモノマネは大げさではあるが、政治家を笑うというより高市早苗首相という人間への興味と観察に基づくものである。ちなみにライブでは小池百合子都知事のモノマネもしているが、気取った口ぶりに上昇志向をにじませる様子も、「よく見てるなあ」と感心させる緻密な職人芸だ。リスペクトというよりは、対象に興味があって仕方がない、という緻密な観察があるからこそ、清水さんのモノマネは「風刺」ではなく「お笑いの芸」として成立している。
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