「上から目線はイヤ」と漏らす高市首相がこだわった人事とは

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候補者の共通点

「現在の西村康彦長官は70歳で、年齢的に今年いっぱいで退官との説もあります。ここ何代にもわたって長官は次長から昇格するのが通例でしたから、次長が急にいなくなる事態は宮内庁としては受け入れがたく黒田氏の副長官就任は消えました」(同)

 その他、内閣府元次官で内閣官房参与(拉致担当)の河内隆氏(68、旧自治省入省)も候補になぞらえられたが、結局、警察トップを経験した露木氏に落ち着いた。

 露木氏以外はみな旧自治省出身。流れを汲む総務省での大臣経験者である高市氏に何らかの「見方」や「勘」があったのだろうか。

「そこはよくわかりません。が、高市氏は2014年9月以降2度、合わせて4年にわたって大臣を務めたので、各人についてはそれなりの評価をしていたと思います」(同)

 首相には外務省、財務省、経産省、防衛相、厚生省、そして警察庁から出向する事務担当秘書官が6人いる。そのうち警察庁の秘書官人事では高市氏の“願望”が色濃く反映されたという。

「当初、警察庁は中山仁氏(52、1996年入庁)を推挙しましたが高市氏はこれを頑なに拒否。“谷滋行氏(55、1993年入庁)が欲しい”と譲らなかったようで、実際にそうなりました。自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会による提言取りまとめの時に高市氏と接して、好印象を抱かれたそうです。谷氏はそれまで刑事局長を務め、人材豊富な93年組にあって警察庁長官・警視総監コースにのっている人物です。首相の秘書官を務めた後、局長クラスとして所属先に戻るケースはありますが、その逆ですからね。高市氏の熱い思いを感じさせる人事でした」(同)

デイリー新潮編集部

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