女子御三家を襲う“サンデーショック” 「桜蔭」と「女子学院」併願可能で中学受験地図が激変か

ライフ

  • ブックマーク

入試日が複数設定

 それでは2026年入試はどうなるのか。25年入試での予想偏差値(80%合格ライン)は桜蔭と渋谷教育学園渋谷(渋渋)が62、女子学院と豊島岡女子学園が61、雙葉が58ほどで、一部予備校では近年高い人気を誇る渋谷教育学園渋谷の偏差値が桜蔭を上回るというデータもある。

 ただ、気を付けなければならないのは豊島岡女子学園も渋谷教育学園渋谷も入試日が複数設定されていること。2026年の募集要項を見ると、豊島岡女子学園は2月2日(第1回)、3日(第2回)、4日(第3回)と3日間連続。渋谷教育学園渋谷も2月1日(第1回)、2月2日(第2回)、2月5日(第3回)とチャンスが多い。このため御三家受験に失敗した受験生の受け皿となった面があり、それが両校の偏差値アップに繋がってきた歴史があるようだ。

 都内有名進学塾関係者がこう明かす。

「渋谷教育学園渋谷の東大合格者数は2023年が40人、24年が43人、25年が50人と増加傾向にあります。しかも、共学校であるため女子校進学を避けたい成績上位層女子からの人気が高いです。彼女らは最初から桜蔭、女子学院を目指していないので第1回、第2回とも渋谷教育学園渋谷を受験するパターンが目立ちます。一方、2月2日に女子学院とガチンコになる豊島岡女子学園も算数・英語資格入試を取り入れるなど優秀な受験生の取り込みに余念がない」

 確かに共学校の人気上昇はここ数年、顕著な傾向として受験産業界で受け止められている。また、学生生活が東大を目指して勉強一辺倒となりそうな超難関校を敬遠する成績上位層も増えているという。そうなると、2015年とはかなり違った状況になるということなのか。

「桜蔭も女子学院も勉強については、生徒の自主性を重んじる姿勢です。一方で、医学部合格者数ランキングで3本の指に入る豊島岡女子学園や、東大合格者数を驚異的に伸ばしている神奈川の洗足学園は、大学入試に向けて生徒に手厚い指導を行っていることから保護者からの評価が高い。そのため最近では桜蔭や女子学院を蹴って、豊島岡女子学園に入学する生徒も出始めており、共学で帰国子女が多く英語学習の機会が多い渋谷教育学園渋谷の人気も急激に上昇しています。10年前のような大幅な志願者の増減が起こらない可能性も十分見ておくべきでしょう」(同)

 中学受験界の戦国地図は急成長校の台頭で10年前とは様変わりしつつある。御三家だからといって“安泰”の日々が続くとは限らないようだ。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。