女子御三家を襲う“サンデーショック” 「桜蔭」と「女子学院」併願可能で中学受験地図が激変か

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2月1日が日曜日

 東京都内の“女子御三家”といえば桜蔭(文京区本郷)、女子学院(千代田区一番町)、雙葉(千代田区六番町)を指す。この3校はいずれも超難関校で、入試は例年2月1日に実施されてきた。ところが、年明け2026年の入試では“サンデーショック”による波乱が予想されるという。「サンデーショックとは何?」「合格難易度に変化はあるのか?」などと疑問を持つ保護者は多いだろう。

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 予備校講師がこう解説する。

「“サンデーショック”とは2月1日が日曜日になることで、女子学院など一部のキリスト教系の学校が日曜礼拝や安息日など宗教上の理由で入試日をずらすことを意味する言葉です。通常だと女子御三家はそろって2月1日の午前中に入試が行われてきましたが、2026年は2月1日に桜蔭と雙葉、2月2日に女子学院が入試を行うことで桜蔭と女子学院、あるいは雙葉と女子学院が併願できるというわけです。これにより、超難関校を目指す受験生の出願、併願計画に大きな影響が出るのです。進学塾の講師は子どもたちの併願パターンを何通りもシミュレーションするのに大忙しですよ」

 御三家でも特に桜蔭と女子学院はライバル関係だ。25年大学入試における東大合格者数は桜蔭が52人、女子学院が28人。数では桜蔭が上回っているが、校風の違いから女子学院を第1志望にする受験生も多い。

「桜蔭の教育方針は『豊かな愛情と自主の精神をもって博(ひろ)く学び、正義の念に基づいて行動する女性の育成』で、『大学進学を経て社会への参加、よりよい家庭生活の建設』とあります。個々人の多様性が重視されるなか、『家庭生活』を挙げているのはどこか古めかしい感じがします。一方、女子学院は『キリスト教精神を基盤に自主自立した心豊かな人格』を目標にしているため制服や細かい校則はありません。そんな自由な校風に憧れる受験生や保護者が多いです」(前出の予備校講師)

 校風に関しては両校でかなりカラーが違うようだが、その2校の併願が可能となると他のライバル校にも波紋が広がりそうだ。この“サンデーショック”、前回は2015年に2月1日と日曜日が重なったため東京では女子学院、東洋英和女学院、立教女学院が入試日を翌日の2月2日に変更した。この影響で偏差値的に近い超難関校である豊島岡女子学園(第1回)、渋谷教育学園渋谷(第2回)の志願者が大幅に減少するという現象が起きている。

「女子学院が2月2日にずらしたことで最も影響が出たのは当然ながらライバルが抜けた桜蔭と雙葉です。2015年はどうだったかというと、両校とも出願者が激増し桜蔭は約27%、雙葉に至っては約5割も上昇しました。女子学院自体も桜蔭や雙葉との併願の道が開けたことで前年比30%増という結果に。逆に割を食ったのが女子学院とバッティングする形になった豊島岡女子学園(第1回)です。出願者が前年の1133人から828人と激減。渋谷教育学園渋谷(第2回)も同様に336人から283人へと減らしています」(同)

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