「東大卒の無職」と「元ヤンキー社長」が出会ったら…話題のドラマ「フェイクマミー」が共感を呼ぶワケ

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波瑠は東大卒の才女役

「フェイクマミー」(金曜午後10時)は波瑠(34)と川栄李奈(30)がダブル主演するTBSの新ドラマ。波瑠が川栄の娘のお受験を請け負う。単純なコメディかと思ったら、違った。独身女性への逆差別問題や学歴偏重問題などを考えさせる。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

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 ドラマの一番のキーワードは多様性。ダイバーシティである。今、この言葉が氾濫しているが、実態は追いついていない。多様性が立ち往生している。それを浮き彫りにしている。

 波瑠が演じているのは花村薫。33歳。東大工学部を卒業し、超一流企業の「三ツ橋商事」に入社した。仕事も出来る。優秀社員賞も受賞した。ところが、同期で先に昇進したのは、育児のために時短勤務中の高梨由実(筧美和子)。薫は由実の補佐役を命じられた。

 会社は「働く母親を支える制度改革が急務なんです」と説明する。多様性を図るための人事だという。名のある企業ほど時代から乗り遅れることを嫌がりがち。割を食った薫は憤る。

「独身で子供のいない女性社員は多様性に含まれないということでしょうか」

 薫はそのまま会社を辞めた。けれど、再就職できない。転職しようとする会社から「なぜ辞めたのですか?」と問われた際、満足に答えられないからだ。これでは不良退職者と思われてしまう。

 育児中の社員との不公平が不満だったという本音は口にしなかった。いくらなんでも恥ずかしすぎる。ただし人事の不満による退職はよくある話である。

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