「選択肢は1つしかない」首相の座が間違いなく見えてきた「国民民主・玉木代表」の最適解とは

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歯切れの悪すぎる野田氏の答え方

 自公連立から公明党が離脱することを受け、21日に召集される臨時国会での首相指名選挙に注目が集まっている。首相には自民党の高市早苗総裁が選ばれる公算は高いが、将来の首相を目指す国民民主党の玉木雄一郎代表が選ぶべき道はどれなのか、その最適解を指摘する。

「玉木氏はこれまで、野党第1党である立憲民主の覚悟を確認する作業を続けてきました。特に安保政策について立憲がこれまで明確なスタンスを示してこなかったことを批判しています」

 と、政治部デスク。

 立憲の野田佳彦代表は7月の党首討論会で石破茂首相から安保関連法に関してどの部分が違憲でその理由は何なのかを問われ、野田氏は「違憲部分がどこなのかは政権を預かった時に米国や防衛省のヒアリングなどを通じて検証していく」と答えた。明確に答えなかった、正確に言えば答えることができなかったのかもしれないが、このことが今の混乱につながっていることは間違いない。

野党共闘の障壁

 立憲は2020年に旧立憲、旧国民民主などの勢力で結党した野党第1党だ。ここ1年で党員数などは増えたが国政選挙での議席増につながらず、存在感を示せないでいた。衆院選と参院選では、原発の新増設・再稼働に否定的で安全保障法制について違憲部分を廃止するスタンスを取って戦った。今回、国民民主が政策的に相容れないと指摘するのがこの原発と安全保障に関する点で、党内最大勢力「サンクチュアリ」などが主張する部分に重なるとされる。

「サンクチュアリは衆参で40~50人ほどのグループです。自治労や日教組などの組織内議員を中心として結成されたリベラル色が強い人たちの集まりで、過去にも代表候補を支援するか否かについて原発再稼働や集団的自衛権の行使容認などに否定的であるかを判断ポイントにしていました。表向きにはそこまでラディカルではないというスタンスを取っていますが、“自分たちの主張を受け入れるなら支持する”といった形で代表選をはじめ党内に影響力を行使してきた集団です」(同)

野党共闘の障壁に

 自分たちの主張を受け入れるかどうかで支持を決めるかどうかは通常の政治行動だろうが、今回、野党共闘の障壁となっているのがサンクチュアリの考え方だとされる。

 立憲執行部は党内最大勢力の主張に気を使わざるを得ず、彼らの訴えを公約に取り込んで衆院選、参院選を戦ったが、結果は敗北。しかし、その後も党が割れることも「中道寄り」への大きな路線修正もなく推移してきたところに「公明の連立離脱」という激震が走ったというわけだ。

「党内を野田氏がまとめることは極めて困難と見られます。が、万が一うまくいったとしても、そこに至るまでには各々が無理しているのは間違いないので早晩、破綻するのは目に見えています。そもそも野田氏の言う大同団結のために一部の議員は選挙で掲げていた主張を撤回・修正しなければならないことも出てくるでしょうから、それでは支持者の理解を得られはずもありません」(同)

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