「見た目は質素なのに、研究中はギラギラして…」 ノーベル賞受賞・坂口教授を支えた“ラボママ”との出会い
“ラボママ”と呼ばれて
その後、坂口さんは新天地を求め、教子さんと共に渡米し、二人三脚で研究に没頭する。坂口さんが米国留学中の85年、マウスのT細胞の一部を取り除くと自己免疫疾患が起きることを発見し、制御性T細胞の存在を提唱。確定するまでに約20年という月日が流れたが、自分を信じ続けた。帰国後も支え合いながらの実験生活は続き、阪大の坂口研究室では、いまや教子さん、「ラボママ」と呼ばれているという。
6年前の2019年には、自己免疫疾患などにおける制御性T細胞の役割を解明してきたことが認められ、文化勲章を受章、夫婦で皇居を訪れた。
いま坂口さんの心に占める思いは日本の基礎科学に対する支援不足。派手さがなく目立たない分野ではあるが、このノーベル生理学・医学賞を起爆剤に研究資金の増額につながれば、また別の意味での成果、快挙ということになる。
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